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- 334_00【Hip joint股関節;股大腿関節 Articulatio coxae; Articulatio coxofemoralis】 Articulation formed by the acetabulum and the head of the femur.
→(股関節は寛骨臼と大腿骨頭とによってつくられる球関節で球体の約2/3に相当する広さをもつ大腿骨頭は、その半分以上が寛骨臼におおわれ、そのために運動は著しく制限されている。このような関節をとくに臼状関節とよんで、肩関節のような球関節と区別する。寛骨臼の内面ではその周辺の月状面のみが関節軟骨でおおわれ、中央の深い寛骨臼窩は滑膜でおおわれた脂肪組織でみたされている。また、寛骨臼の周縁は線維軟骨性の関節唇によって補強され、関節窩がさらに深められる。関節唇が寛骨臼切痕を橋渡ししてつづく部分を寛骨臼横靱帯といい、この深層でほね間隙を血管がまわりの脂肪組織を伴って関節腔内に侵入する。関節包は強く、上方では関節唇の外面、あるいはこれをこえて寛骨臼の周縁につく。下方では大腿骨頚をほとんど包み、前面では転子間線に、後面では転子間稜のやや上方で大腿骨頚につき、また内側では小転子に接してつく。股関節の運動は、屈曲、伸展、内転、外転、描円および回旋に分析されるが、運動の範囲は膝関節をまげた状態では、寛骨からおこり、膝関節をこえて脛骨や腓骨につく大腿の筋や靱帯による運動性限が除かれるために拡大される。股関節の運動は屈伸、内・外転および回旋を行う。伸展位からの屈曲は膝関節をも屈すると120°、後方への過伸展15°(この位置で大腿骨頭は寛骨臼内で固定される)、内転10°、外転40°、内方回旋50°、外方回旋15°である。股関節を少し屈し、やや外転、回旋した位置からは屈伸合計約160°、内外転合計140°、回旋合計約100°となる。なお、股関節の屈伸運動の横軸は大腿骨頭の中心と大転子の頂点とを結ぶ線で、立体においてこの線の直角をなして大腿骨頭から下る線は大腿骨下端の膝蓋面を通り、脛骨上端の顆間隆起から脛骨中に入り、その中軸を下って、下関節面を出た後に距骨に入る。この線が下肢の回旋軸で、大腿骨体の軸との間に約6°の角をなし、立位の靱帯の垂直線とも平行しない。また大腿骨軸と脛骨体軸とのなす角は174°である。)
- 334_01【Ilium腸骨 Os ilium; Ilium】
→(寛骨のうち幅広く外方に張り出している部分。出生児には別個の骨であるが、後に坐骨および恥骨と癒合する。下端のやや肉厚な寛骨臼付近が腸骨体で、扇状に拡がる上方部が腸骨翼である。腸骨翼の上縁が腸骨稜で、腸骨翼の内外2面との境の稜線がそれぞれ内唇・外唇、これらの間の粗な部分が中間線である。下端のやや肉厚な寛骨臼付近が腸骨体で、扇状に拡がる上方部が腸骨翼である。腸骨翼の上縁が腸骨稜で、腸骨翼の内外2面との境の稜線がそれぞれ内唇・外唇、これらの間の粗な部分が中間線である。腸骨稜は上方に張り出し、中央やや後方寄りのところが最も高位にあって第3腰椎棘突起と第4腰椎棘突起の間に相当する。また前方で内面に凹、後方で外面に凹のS字状を呈す。幅は中央部が狭く前方と後方で広い。腸骨稜が前縁に移行することで、前下方に突出する丸みを帯びた部分が上前腸骨棘である。この下方の浅い陥凹を隔てて前下方へ突出する部分が下前腸骨棘である。腸骨稜と後縁の境で後方へ突出する部分が下腸骨棘である。腸骨稜と後縁の境で後方へ突出する部分が上後腸骨棘で、この直下の浅い陥凹を隔てて幅広く突出する部分が下後腸骨棘である。下後腸骨棘直下で、坐骨後縁とともに深い切れ込みを呈する部分が大坐骨切痕である。腸骨の内面で、後上方(腸骨稜後方1/3位)から前下方恥骨上肢へ向かう隆線が弓状線で、前上方部の平滑で浅い陥凹を示す腸骨窩と、後下方部の粗な部分である仙骨盤面との境をなす。仙骨盤面では、上方の粗面が腸骨粗面、下方の耳介状を呈し、仙骨との関節面をなす部分が耳状面である。大坐骨切痕に面する平滑な部分は小骨盤側壁をなす。腸骨の外面で寛骨臼縁より上部が粗面状の臀筋面あり、前方で軽く外方へ張り出し後方で陥凹している。前上方から後下方へ向かう3本の隆線が臀筋線で、前殿筋線は最も長く、腸骨稜の前方約1/4から後下方大坐骨切痕上縁の中央部へ向かう。後臀筋線は最も短く、上後腸骨棘の少し前方から下後腸骨棘の少し前方にいたる。下臀筋線は下前腸骨棘の少し上方から後下方へ向かい、大坐骨切痕の尖端近くに達する。)
- 334_02【Acetabular labrum; Articular labrum関節唇;寛骨臼唇(股関節の) Labrum acetabuli; Labrum glenoidale】 Lip of the acetabulum. Fibrocartilage ring that augments the bony acetabulum.
→(寛骨臼の縁には線維軟骨性の関節唇が着いて関節窩を深くするとともに、関節唇の遊離縁はややせばまっているので、大腿骨頭を包み込むような形を取る。)
- 334_03【Zona orbicularis of hip joint輪帯(股関節の) Zona orbicularis articulationis coxae】 Ringlike band that encircles the neck of the femur on the inner layer of the joint capsule. It is strengthened by external ligaments and helps secure the head of the femur in the acetabulum.
→(股関節の輪帯は関節包の内面で、深在の輪走線維が束となって大腿骨頚をとりまくように走るものをいう。上部は腸骨大腿靱帯、下部では坐骨大腿靱帯の深在性の線維と結合するから、寛骨臼から起こるワナ状の線維束とも記載されているが、いずれにせよ、輪になるところは骨と直接には結合しない。)
- 334_04【Greater trochanter of femur大転子(大腿骨の) Trochanter major】 Large prominence on the superolateral aspect of the femur for attachment of the gluteus medius, gluteus minimus, and piriformis muscles.
→(大腿骨頚の上外側には大転子(中臀筋、小臀筋、梨状筋がつく)が突出している。転子とはハンドルのことで、その力学的な効用は、たとえば大転子につく中臀筋が大腿骨を外転させている。)
- 334_05【Epiphysial line of femur骨端線(大腿骨の) Linea epiphysialis femoris】
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- 334_06【Fovea for ligament of head大腿骨頭窩 Fovea capitis femoris】 Concavity on the head of the femur giving attachment to the ligament of the head of the femur.
→(大腿骨頭の頂点からやや下方にずれたところに大腿骨頭窩という小さな凹みがある。ここに大腿骨頭靱帯が付く)
- 334_07【Head of femur大腿骨頭 Caput femoris】
→(大腿骨の上端には2/3球状の大きな関節面を持つ大腿骨頭がある。その頂点は内側上方に向くが、同時にやや前方に傾いている。)
- 334_08【Ligament of head of femur大腿骨頭靱帯;大腿円靱帯 Ligamentum capitis femoris; Ligamentum teres femoris】 Intracapsular band that extends from the acetabular notch to the fovea for the ligament of the head of the femur. It transmits vessels and does not directly influence joint mechanics.
→(大腿骨頭靱帯は関節内靱帯で、大腿骨頭窩から起こり、少し拡がって、寛骨臼切痕を挟み込む月状面の尖端の付近に着く。三角柱状で、滑膜に被われる。太さは個人差が大きい。大腿骨頭に入る血管の一部はこの靱帯をつたわる。)
- 334_09【Transverse acetabular ligament寛骨臼横靱帯 Ligamentum transversum acetabuli】 Ligament that spans the acetabular notch and augments the acetabulum.
→(関節唇は寛骨臼切痕のところではその上を超架して寛骨臼横靱帯を作り、これと切痕との間の間隙を取って柄まわりの脂肪組織が血管とともに関節腔に入り込む。)
- 334_10【Inferior pubic ramus; Ramus of pubis恥骨下枝;結合部(恥骨枝の) Ramus inferior ossis pubis; Pars symphysica ramus ossis pubis】 The part of the pubis that is anteroinferior to the obturator foramen, between the pubic symphysis and the suture line with the ischium.
→(恥骨下枝は閉鎖溝の下縁の前半をつくる。内外から圧平された骨板で、とくに閉鎖孔に向く上縁は薄く鋭い。下縁はやや肥厚する。下縁の後方部の前面付近は粗に隆起してCrista phalica[INA](陰茎稜)をつくる。)
- 334_11【Articular capsule of hip joint関節包(股関節の) Capsula articularis coxae; Capusula articularis coxofemoralis】
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- 334_12【Articular cavity of hip joint関節腔(股関節の) Cavitas articularis (Articulatio coxae)】
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- 334_13【Ischial tuberosity坐骨結節 Tuber ischiadicum】 Bony prominence at the inferior border of the lesser sciatic notch.
→(小坐骨切痕より下方の坐骨体は、その後面に大きな楕円形の坐骨結節を作っている。坐骨結節の表面は大腿後面の筋群に起始を与えるために非常に粗になっている。また坐骨結節は腰掛けるときに椅子の面に接して、体重を支える場所である。)
- 334_14【Shaft of femur; Body of femur大腿骨体;大腿骨幹 Corpus femoris】
→(大腿骨体は長い柱状の骨幹をなす部分で、前方に軽く凸弯している。その中央4分の2はほぼ円柱状であるが、上4分の1と下4分の1は楕円柱状に近い。下4分の1は下方にいくにしたがって幅が広くなっている。)