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- 345_00【Joints of foot足の関節;足関節 Articulationes pedis】
→(距腿関節をも含めて、足根骨、中足骨および足の指骨の間に生ずるすべての関節を総称していう。狭義では距腿関節のみを指す。(解剖学辞典:河西達夫))
- 345_01【Tibia; *Shank bone; *Shin bone脛骨 Tibia】
→(下腿の2つの骨のうち内側にある大きい方の骨である脛骨は、横断面が三角形をした長骨で、骨のうちで2番目に長い、下腿の前内側部に位置する。上端(近位部)と下端(遠位部)は膨隆しているが、上端の方がはるかに大きい。上端(近位端)・下端(遠位端)・骨体の3部にわけられる。上端が下端よりもはるかに幅広く強大であること、骨幹の前縁が鋭い稜線をなしていること、下端の内側部が下方に突出してることを目やすにすれば、この骨の上下・前後方向の位置づけと左右の判別は比較的容易である。上端で孔内側および後外側方へ膨隆した部分が、それぞれ内側顆と外側顆である。上面にある2個の平滑面が大腿骨と関節する上関節面である。内側の関節面は楕円形に陥凹しているが、外側の関節面は左右軸で凹面を前後軸で凸面になっている。内側と外側の関節面の間の隆起部が顆間隆起で、特に後方よりのところが顕著である。顆間隆起の内側および外側部の突出している部分が、それぞれ内側顆間結節・外側顆間結節である。顆間隆起の前後の陥凹した部分がそれぞれ前顆間区・後顆間区である。近位端の前面は三角形の粗な平面をなし、血管孔がある。粗面の下端は結節状の隆起に達している。この隆起が脛骨粗面で、上方の小さいやや平滑な面に膝蓋靱帯が付着する。近位端の周囲は全体が粗面上になっているが、外側顆の外側後下面に腓骨頭に対する小楕円形の平滑面・腓骨関節面がある。脛骨体は3縁とのうち最も明瞭で、近位2/3ではとくに鋭利である。脛骨粗面外側部から始まり内果前面に終わる。全体に軽いS字状を呈するが、遠位端では鈍で平滑となる。内側縁は丸みをおびており、内側顆後部から始まり内果後縁に終わる。外側縁は細い洗浄の隆起として認められ、腓骨関節面前方から始まり遠位端は腓骨切痕を挟むように二分して終わる。骨間膜が付着する骨間縁である。内側面は広くやや丸みをおび比較的平滑である。外側面は内側面より狭く平滑であるが、近位1/3に前脛骨筋がおこる浅い溝である。後面の近位1/3にある斜上外側(腓骨関節面内側下方)から斜下内側へ走る隆線がヒラメ筋線である。この筋線の下外側部に上方から入る栄養孔がある。中1/3に上下方向に走る低い隆線がある。隆線の広い内側部から長趾屈筋が、狭い外側部から後脛骨筋がおこる。他の部分は滑らかで筋におおわれる。遠位端(下端)は膨隆しているが近位端より小さい。近位内側部で下方に突出した部分が内果で、内果の外側面は平滑で内果関節面をなし距骨に対する関節面の一部をなす。遠位端下面は距骨に対する下関節面をなし、平滑で前後に凹面左右に凸面を呈する。前後に走る引くい隆起があり関節面を二分している。前面は平滑で丸みをおび、伸筋群の腱で被われる。前面遠位端には横走する浅い溝があり、足関節包が付着する。後面中央やや外側には長母趾屈筋腱が通る縦方向の浅い溝があり、内側には斜上外側から斜下内側へ走る長趾屈筋と後脛骨筋の腱が通る内果溝がある。外側面の三角形に陥凹した粗面が腓骨切痕である。内側面は内果として遠位方向に突出しており、丸みをおび皮下に触れることができる。Tibiaというラテン名詞には「スネの骨」のほかに笛の意味もある。Tibia(tuba笛)から変じたという節もあるし、また古代の笛は鳥のスネの骨で作られていてので、tibiaはもともとスネの骨を指すのだとも言う。脛はもちろんスネである。)
- 345_02【Trochlea of talus距骨滑車 Trochlea tali】 Cylindrical projection for articulation with the tibia and fibula.
→(距骨は下腿の骨と連結する唯一の足根骨で、その上面には脛骨および腓骨の下端部をのせるための大きな距骨滑車がある。)
- 345_03【Posterior tibiotalar part of medial ligament of ankle joint後脛距部;後脛距靱帯(三角靱帯の) Pars tibiotalaris posterior; Ligamentum tibiotalaris posterior; Ligamentum talotibiale posterior (Ligamentum deltoideum)】 Posterior fibers extending from the medial malleolus and nearly reaching the posterior process of the talus.
→(三角靱帯の後脛距部は内側靱帯のもっとも後の部で、もっとも深層にあり、距骨内側面の後部、後突起の内側結節につく。)
- 345_04【Tibiocalcaneal part of medial ligament of ankle joint脛踵部(三角靱帯の);脛距靱帯 Pars tibiocalcanea; Ligamentum calcaneotibiale (Ligamentum deltoideum)】 Fibrous bands that pass from the malleolus to the sustentaculum tali.
→(三角靱帯の脛踵部は強い靱帯である。内果から関節包を離れてほぼ垂直に下って踵骨の載距突起の内側縁に着く。前方の一部は底側距舟靱帯と癒合する。後方の一部は距骨下関節包の表面を越えて踵骨体の内側面に至る。)
- 345_05【Medial talocalcaneal ligament内側距踵靱帯;脛側距踵靱帯 Ligamentum talocalcaneum mediale; Ligamentum talocalcaneum tibiale】 Ligament on the medial side of the foot that extends from the medial tubercle of the talus to the sustentaculum tali.
→(内側距踵靱帯は距骨後突起の内側結節から出て前方に向かい、踵骨の載距突起に着く。)
- 345_06【Groove for tendon of flexor hallucis longus長母趾屈筋腱溝;長母指屈筋腱溝(足の) Sulcus tendinis musculi flexoris hallucis longi】 Groove on the posteromedial aspect of the posterior process for the tendon of the flexor hallucis longus.
→(距骨後突起の尖端は上下に走る長母趾屈筋腱溝によって、内側の内側結節と外側の外側結節とに分けられる。)
- 345_07【Fibula; *Calf bone腓骨 Fibula】
→(腓骨は脛骨と対になって存在する下腿の骨で同じくらいの長さである。長骨のうちで最も細長い骨で、脛骨の外側にある。近位端は脛骨外側顆の後下方にあり、膝関節の形成には関与しない。遠位端は脛骨の腓骨切痕を通り、その遠位端を越え足関節の外側部を形成する。腓骨を近位端・骨体・遠位端に分ける。近位端(上端)のやや球状に膨隆した部分が腓骨頭で、腓骨頭上面にある楕円形の平滑面が脛骨の腓骨関節面に対する腓骨頭関節面である。腓骨には多数の小結節があり粗面をなす。外側の隆起で後上方に突出する部分が腓骨頭尖である。腓骨体は細長い三角柱状で、3縁と3面を区別する。前縁は腓骨頭前面から始まりほぼ真直ぐ下降する。中央部では稜状で鋭い、遠位1/4で二分し、一方は外果前縁へ他方は外果の後下方へ向かう。2者の間は外果外側面の上方で三角形の平滑面をなし、皮下で触れられる。骨間縁は腓骨頭直下から始まる線状の隆起で、初部(2cm位)は不明瞭なことが多い。はじめ前縁の直内側を前縁と平行して下降するが、遠位2/3位の所から後内側方へ離れ、外果関節面上方の腓骨切痕に対する三角形の粗面の尖端で終わる。後縁は腓骨頭尖から始まり外果後縁で終わる。近位では丸みを帯びているが遠位でやや稜状となる。前縁と骨間縁の間が内側面である。近位1/3では非常に狭いが遠位1/3では幅が広くなり、少し窪んで浅い溝状を呈す。後縁と前内側にある骨間縁との間の面が後面である。後面で、腓骨頭内側部からおこり遠位1/3のところで骨間縁と合流する稜線が内側稜である。内側稜と骨間縁の間は後面の後内側上部にあたり、浅い溝状を呈する。後面の広い後外側部は内側稜と後縁の間にあり、遠位では外果上方の三角形の粗面にいたる。中央部に栄養孔が上方の三角形の粗面にいたる。中央部に栄養孔が上方から入っている。外側面は前縁と後縁に囲まれた部分で比較的平滑で浅い溝状を呈す。近位端は少し大きく、また前後に広がっている。外側部は遠位側へ突出し外果をなす。外側面は二分した腓骨体前縁でつくられる腓骨体外側面の三角形の面につづく。内側前面上方にある楕円形の平滑な面が、距骨体の外側面と関節する外果関節面である。関節面の後方にあるやや深い陥凹が外側窩である。後縁は幅が広く、長および短腓骨筋腱が通る浅い溝・腓骨果溝がある。ラテン語のFibula(ブローチの留針、バックルの留金)に由来する。Figo(結びつける)からfigibulaという名詞が生じ、これが短縮してfibulaとなった。これに相当するギリシャ語はperoneで、腓骨筋m.peroneus、腓骨動脈a.peronea、腓骨神経n.peroneusなどに使われる。)
- 345_08【Posterior tibiofibular ligament後脛腓靱帯;後外果靱帯 Ligamentum tibiofibulare posterius; Ligamentum malleoli lateralis posterius】 Bands that pass on the posterior aspect of the inferior tibiofibular joint, connecting the end of the fibula with the lateral malleolus and stabilizing the malleolar mortise.
→(脛骨と腓骨の骨幹靱帯の後面には脛骨下端から腓骨下端に向かって外下方に走る後頚腓骨靱帯があって結合を強める。)
- 345_09【Posterior talofibular ligament後距腓靱帯;後腓距靱帯 Ligamentum talofibulare posterius; Ligamentum fibulotalare posterius】 Ligament that originates from the malleolar fossa of the lateral malleolus and inserts on the lateral tubercle of the talus.
→(後距腓靱帯は外果窩の底から起こり後内方に向かい、距骨後突起の外側結節に着く。)
- 345_10【Posterior talocalcaneal ligament後距踵靱帯 Ligamentum talocalcaneum posterius】 Band that passes from the posterior process of the talus to the calcaneus. It spans the groove for the tendon of the flexor hallucis longus.
→(距骨下関節の関節包の前壁は足根洞にある骨間距舟靱帯の一部と成る。後壁のうち、距骨後突起の内、外側結節から分かれて起こる線維束は後距踵靱帯といい、内側結節から起こる部は長母趾屈筋腱の表面を越える。)
- 345_11【Calcaneofibular ligament踵腓靱帯;腓踵靱帯 Ligamentum calcaneofibulare; Ligamentum fibulocalcaneare】 Ligament that passes from the tip of the lateral malleolus obliquely and posteriorly to the calcaneus.
→(踵腓靱帯は外果の下縁から起こり、距骨下関節の表面を越えて下方、やや後方に分散して距骨の外側面に着く。)
- 345_12【Calcaneal tuberosity踵骨隆起 Tuber calcanei】 Tuberosity on the posterior aspect of the calcaneus.
→(踵骨の後半部は大きな骨塊となって後方に飛び出している。この部分は踵骨隆起と呼ばれ、いわゆるかかとの主要部を成している。その後面には表面にギザギザした稜線が横に走っているが、ここはアキレス腱がつく場所である。)