464_01【Acromioclavicular ligament肩鎖靱帯 Ligamentum acromioclaviculare】 Ligament that strengthens the superior wall of the joint capsule, holding the acromion and clavicle together. →(肩鎖関節の関節包はゆるく、その前側がやや強いほか、前面は厚く強くなって肩鎖靱帯をつくる。運動の範囲は狭いが、肩甲骨の外側角が上方に向くような動きがあるほか、肩甲骨の少し回旋が行われる。たとえば、外側角が上を向く運動に際して、下角が前方へ移動し、上角が下降するような回旋運動が起こる。)
464_02【Coracoid process of scapula烏口突起 Processus coracoideus】 Hooked process that projects anteriorly from the superior border of the scapula just lateral to the suprascapular notch. Attachment site of the pectoralis minor muscle and origin of the short head of the biceps brachii and coracobrachialis muscles. →(肩甲切痕と関節窩の間には、烏の嘴のように折れ曲がった烏口突起が前外側方に突出している。烏口突起は烏口腕筋と上腕二頭筋(の短頭)が起こり、また小胸筋が付くための突起である。Koraxというギリシャ語は烏(または烏の嘴ように曲がったもの-ドアの把手など)を意味する。)
464_03【Acromion肩峰;カタサキ Acromion】 Free end of the spine of the scapula that projects over the head of the humerus. →(肩峰は肩甲棘そのものは、尖端が扁平な大突起となって関節窩を越えて突き出ている。この部分を特に肩峰(肩甲棘から肩峰にかけて僧帽筋がつき、三角筋が起こる)と呼ばれ、その突起近くの内側面には鎖骨と連結する小楕円形の関節面(輪郭はあまり明瞭でない)がある。肩甲棘のつけ根(肩甲骨背側面から起こる基部)の外側端の所では、棘上窩と棘下窩が関節窩のすぐそばでたがいに交通している。)
464_04【Coracoacromial ligament烏口肩峰靱帯 Ligamentum coracoacromiale】 Thick band extending from the coracoid process of the scapula to the acromion, forming a roof over the shoulder joint. →(烏口肩峰靱帯は肩甲骨烏口突起の水平部から広く起こり、やや上方に集まって肩峰の尖端で肩鎖関節の外側ととの間に張る比較的強い靱帯である。肩関節を上から被うが、両者の間に肩甲下筋と棘上筋の腱および肩峰下包が介在するため、関節包とは直接しない。肩関節を保護すると共に、上腕骨が水平より上方にあがることを抑制する。機能的には肩関節と関係が深い。烏口突起、肩峰とともに、いわゆるcoracoacromial arch, Shoulter-dachをつくり、肩関節の運動に際して上腕骨頭の働きを上方から制限する。このため肩関節だけの運動では、上肢の外転は水平位(90°)までで、それ以上の上肢の挙上には胸鎖関節や肩鎖関節の働きを必要とする。)
464_05【Subacromial bursa肩峰下包 Bursa subacromialis】 Bursa situated between the acromion, coracoacromial ligament, and tendon of the supraspinatus muscle. →(肩峰下包は肩峰の下面と肩関節包の間にある。しばしば烏口肩峰靱帯の下をのびて、三角筋下包と交通する。)
464_06【Coracobrachial bursa烏口腕筋の滑液包;烏口腕筋包;烏口腕筋嚢 Bursa musculi coracobrachialis】 Bursa situated between the tendon of the subscapularis and the coracobrachialis below the apex of the coracoid process. →(烏口腕筋の滑液包は烏口腕筋と肩甲下筋との間にある。常在するものではない。)
464_07【Subdeltoid bursa三角筋下包;三角筋下嚢 Bursa subdeltoidea】 Bursa situated between the deltoid and the greater tubercle of the humerus. It often communicates with the subacromial bursa. →(三角筋下包は上腕骨大結節のあたりで、三角筋の下面と肩関節包との間にある。比較的大きい。肩関節腔とは交通しない。)
464_08【Latissimus dorsi tendon; Tendon of latissimus dorsi muscle広背筋腱 Tendo musculus latisssimi dorsi】 →()
464_09【Subtendinous bursa of latissimus dorsi muscle広背筋の腱下包;広背筋包;腱下広背筋包 Bursa subtendinea musculi latissimi dorsi; Bursa musculi latissimi dorsi】 Bursa situated between the tendons of insertion of the teres major and latissimus dorsi. →(広背筋の腱下包は広背筋の停止腱と上腕骨の間にある。)
464_10【Crest of lesser tubercle; Medial lip; Lesser tubercular crest小結節稜;内側唇(結節間溝の) Crista tuberculi minoris; Labium mediale】 Bony ridge extending distalward from the lesser tubercle that gives attachment to the teres major and latissimus dorsi muscles. →(小結節は数cm以上にも及ぶ長い稜線を下方に送っており、その稜線は小結節稜(大円筋と広背筋が付く)とよばれる。)
464_11【Humerus上腕骨 Humerus】 The bone of the upper arm. →(上腕骨は典型的な長管状骨であるが、上端は半球状にふくらんで上内側を向き、下端は前後に扁平である。上端の半球状の部分は大きな関節面で上腕骨頭といい、その基部の周囲にある浅いくびれを解剖頚という。上腕骨頭の前外側には2個の隆起があり、口蓋側のものを大結節、前内側のものを小結節という。両結節の下部はともに下方へ細長く延び出して、それぞれ大結節稜および小結節稜を作っている。大小の結節および結節稜の間には上下に走る溝があり、結節間溝という。大小稜結節のすぐ下で、上腕骨体に移行する部位は骨折を起こしやすく外科頚とよばれる。上腕骨体は上腕骨の大部分を占める骨幹の部分で、上半は円柱状、下半は三角柱状であり、下端は前後に扁平である。上腕骨体の外側面には、第毛節稜のすぐ下からはじまり、上腕骨体の中央に達する三角筋粗面がある。この粗面の後下方には橈骨神経溝という浅い溝があり、上腕骨体の後面を状内側から下外側に向かってラセン状に走っている。上腕骨の下端部は著しく扁平に広がり、内側方に内側上顆、外側方に外側上顆が突き出しており、内側上顆の後面には尺骨神経溝がある。この二つの上顆の間には前腕の骨と連結する上腕骨窩があり、内側の上腕骨滑車と外側の上腕骨小頭に区別される。前者は中央が浅くくぼんだ円柱状で尺骨の滑車切痕と関節をつくり、後者は小半球状で橈骨頭窩に面している。上腕骨下端部前面には二つのくぼみがあり、滑車の上方にあるものを鈎突窩、小頭の上方にあるものを橈骨窩という。これは肘を強くまげたときに尺骨の鈎状突起および橈骨頭がはまりこむところである。また、後面には滑車のすぐ上方に楕円形の深いくぼみがあり肘頭窩という。これは肘をまっすぐに伸ばしたときに尺骨の肘頭がはまりこむ場所である。鈎突窩と肘頭窩はうすい骨質をはさんで前後面から互いに相接しているが、このうすい骨質に孔があいていることがあり、これを滑車上孔という。内側上顆の上方にはまれに小さい突起がみられることがあり、これを顆上突起という。顆上突起と内側上顆の間には靱帯が張り、その間を正中神経が通過する。また、この靱帯からは円回内筋の一部がおこる。)
464_12【Bursa of coracoclavicular ligament烏口鎖骨靱帯包 Bursa ligamentum coracoclavicularis】 →()
464_14【Superior angle of scapula上角(肩甲骨の) Angulus superior scapulae; Angulus cranialis】 Superomedial angle of the scapula. →(肩甲骨の三角形の三つの頂角のうち内側上方のものが上角である。)
464_16【Teres major muscle大円筋 Musculus teres major】 o: Near the inferior angle of scapula, i: Crest of lesser tubercle of humerus. Retroversion of the arm with adduction and medial rotation. I: Thoracodorsal nerve. →(大円筋は肩甲骨下角の背側面で起こり、上腕三頭筋長頭の回りを曲がり、広背筋停止腱(下縁で一緒に成長する)の背側で小結節稜に付着する。大円筋は肩甲下筋の分かれたものである。さらに、同じ原基から生じる広背筋と遺伝的にも密接に関係している。大円筋、小円筋、上腕三頭筋長頭の3者によって取り囲まれる三角形の隙間は内側腋窩隙triangular spaceと呼ばれ、ここを肩甲回旋動静脈が通っている。また大円筋、上腕二頭筋長頭、小円筋、上腕骨の4者によって囲まれる四辺形の隙間は外側腋窩隙quadrangular spaceとよばれる。ここは腋窩神経と後上腕回旋動脈が通っている。)