626_01【Third lumbar vein; 3rd lumbar vein腰静脈;第3および第4腰静脈 Venae lumbales; Venae lumbales [III et VI]】 Third and fourth segmental lumbar veins that open directly into the inferior vena cava. →(第三腰静脈および第四腰静脈はそのまま椎体の側面を腹側に走って左右とも下大静脈にそそぐ。ただし、この流入形式には変異が多い。)
626_02【Inferior vena cava腹大動脈;大動脈腹部 Pars abdominalis aortae; Aorta abdominalis】 Segment of the aorta extending from the aortic hiatus of the diaphragm to its bifurcation at the fourth lumbar vertebral body. →(腹大動脈は下行大動脈の腹腔内にある部分で、胸大動脈のつづきとして横隔膜大動脈裂孔にはじまり、脊柱前面を下行したあと、第4腰椎の高さで左右の総腸骨動脈を分岐して、細い正中仙骨動脈に移行する。胸大動脈とは反対に臓側枝が豊富でかつ協力である。)
626_06【Ureter外腸骨静脈 Vena iliaca externa】 It arises at the superior end of the femoral vein below the inguinal ligament and ends where it unites with the internal iliac vein to form the common iliac vein. →(外腸骨静脈は下肢の静脈を集める本幹で、そのほか一部は前腹壁の下部からも血液を集める。大腿静脈の続きとして鼡径靱帯の下で血管裂孔にはじまり、大腰筋の内側に沿って上行して、仙腸関節の前面で内腸骨静脈と合して総腸骨静脈をつくっておわる。)
626_08【Inferior epigastric vein子宮円索;子宮鼡径索 Ligamentum teres uteri; Chorda uteroinguinalis (teres)】 Ligament derived from the caudal gonadal fold during development. It passes from the tubal angle through the parametrium and inguinal canal into the labia majora. →(卵管開口部の前下方、左右両側で子宮に付着している筋線維を含む線維帯。鼡径管から大陰唇に至る。男性の精索に相当し、これも鼡径管を通り同じような腓腹をもつが相同ではなく精巣導帯と相同である。スコットランドの解剖学者William Hunter (1718-1783)によって記載された。WilliamはJohn Hunterの兄で、彼の業績はグラスゴーのハンター博物館に残されている。)
626_10【Obturator veins膀胱静脈 Venae vesicales】 Veins from the vesical venous plexus. →(膀胱静脈は膀胱下面と前立腺の上面付近に分布して膀胱静脈叢をつくり、これから出る血液は内腸骨静脈そそぐ。)
626_12【Urinary bladder; Bladder子宮 Uterus】 Pear-shaped organ measuring about 7.5 cm in length. →(子宮は骨盤腔のほぼ中央で膀胱の後ろ、直腸の前に位置する筋性の中空器官でで卵管から送られてきた授精卵が着床し、発育して胎児となり、分娩にいたるまでの間、必要な血液を供給し、発育の環境を与える器官である。子宮は妊娠していないときは非常に小さい(約2.5×4×7cm)が、妊娠とともに巨大になる。これは主として子宮筋層の平滑筋細胞の肥大と増殖、結合組織の増量による。子宮は西洋梨型の嚢状器官で、上縁(子宮底)の外側端に左右の卵管が開く。ほぼ球状の糸球体は下方にのびて円筒形の子宮頚となり、腟に向かって突出する子宮腟部を形成し、子宮頚を縦に貫く頚管は、上方は子宮腔に開き、下方は外子宮口によて腟の内腔にひらく。子宮の外面は子宮蓋膜であるが、その一部(子宮底と子宮体後面)のみを腹膜がおおって、子宮漿膜をなし、他は粗線遺精結合組織からなる蓋膜である。子宮壁は大部分を占める子宮筋層は非常に厚く、次の4層に分けられる(内方から外方の順)。(1)粘膜下層:大部分縦走筋、一部は斜走または輪走筋。(2)血管層:多くの血管を含み海綿状をなす。輪状ないし斜走筋。(3)血管上層:輪状ないし縦走筋。 子宮壁の内面をおおう粘膜を子宮内膜という。子宮体の内面をおおう子宮内膜は月経周期とともに形態変化をなし、妊娠によって脱落膜にかわる。しかし頚管内面の子宮内膜は周期的変化をしめさない。子宮内膜の表面上皮は単層円柱上皮で、線毛細胞と分泌細胞が混ざっている。内膜の厚さは月経周期の時期によって異なるが、厚い粘膜固有層(子宮内膜支質)の中を、表面から垂直に管状の子宮腺が伸びている。子宮腺の中にも少数の線毛細胞がある。頚管粘膜は丈の高い円柱上皮で被われており、その上皮細胞は粘液によって満たされている。子宮頚腺は複雑に分枝する大きな腺で、腺細胞は丈が高い円柱状細胞で粘膜を分泌する。この腺の導管が濃い粘液のために閉塞し、腺体が極端に貯留した粘液のために閉塞し、腺体が極端に貯留した粘液のために拡大して肉眼で小胞状にみえることがあり、古くからナボットの卵(嚢胞)とよばれてきた。子宮頚部の外表面は平滑で、腟と道央に重層扁平上皮でおおわれている。頚管の円柱上皮から重層扁平上皮への移行は外子宮口のすぐ内側で急激に代わる。頚管内の円柱上皮が斑点状に子宮腟部の重層扁平上皮の部分にまぎれこんだものを頚部ビランという。これは炎症をおこしやすい。また子宮頚癌の原因になる。)
626_14【Deep dorsal vein of clitoris; Dorsal vein of clitoris♀陰核 Clitoris】 Erectile part of the vulva on the anterior end of the labia minora. It is composed of the union of two cavernous bodies and is homologous to the corpus cavernosum of penis. →(陰核は男性の陰茎に相当するものであるが、腟前庭の前方にあたる絶頂部に位置しており、陰茎に似た構造を示す。小陰唇の前端にあり、尿道および尿道海綿体を欠く痕跡的陰茎に相当。陰核は「ミニ・ペニス」といえるが、この小さな器官(特に陰核亀頭と陰核小体)に男のペニスに劣らないほど多量の知覚神経が分布している。陰核が機械的刺激を受けることによって、いかに豊富な信号を脳に送るかが想像できるであろう。陰核と陰茎は同様に海綿体組織(陰核海綿体)をもつので、性的興奮で充血によって膨張して固くなり、勃起する。実際、組織学の切片標本で陰核の神経を見ると、上皮直下の多数の自由終末のほか、固有層には陰部神経小体という特殊な触・圧覚受容器があり、陰核海綿体の薄膜の上面にはファーター・パチニ小体(振動感覚の受容装置)がたくさんに配備されている。)
626_16【Ascending lumbar vein腸腰静脈 Vena iliolumbalis】 Companion vein of the iliolumbar artery. →(腸腰静脈は腸腰動脈に伴行して、腸骨窩、後腹壁よりの血液を集めて大腰筋の深層を通り、総腸骨静脈または外腸骨静脈へそそぐ。第5腰椎の椎間孔を経て脊柱管内との交通もある。)
626_18【Ovary内腸骨静脈 Vena iliaca interna】 Short venous trunk that receives veins from the pelvic viscera and perineum. →(内腸骨静脈は主として骨盤内増からの血液を集める。その分枝は、内腸骨動脈の場合とほとんど同じで、それぞれ内腸骨動脈と伴行している(ただし、臍血管を除く)。本幹は骨盤腔の側壁に接して大坐骨孔で梨状筋上孔を通って骨盤腔にはいる。)
626_20【Uterine veins♀内陰部静脈 Vena pudenda interna】 Vein running within the lateral wall of the ischiorectal fossa and passing through the lower portion of the greater sciatic foramen into the pelvis. →(内陰部静脈は内陰部動脈に伴行するが、主として陰茎(核)深静脈のつづきとしてはじまり、坐骨直腸窩の外側壁に沿って背側へ走り、仙結節靱帯と仙棘靱帯の間を経て、梨状筋下孔から骨盤腔に入り、内腸骨静脈へそそぐ。この間、外陰部、肛門よりの静脈を入れる。)
626_22【Vesical venous plexus肛門挙筋 Musculus levator ani】 Principle muscle of the pelvic diaphragm. It is derived from the abdominal wall musculature and permeated by smooth-muscle cells. I: Sacral plexus, S2-S5. It consists of the following parts. →(肛門挙筋の丈夫な前部(恥骨尾骨筋)は分界線直下の恥骨の内面から起こり、薄い後部(腸骨尾骨筋)は腸骨から起こる。その起始腱は内閉鎖筋筋膜に接して移行し、閉鎖筋膜から発する腱束を受ける。これらの線維の起始部では腱性の係留物(肛門挙筋腱弓)により強化されている。左右両側で恥骨尾骨筋の内側線維束は挙筋脚を形成している。それらの線維束は背方と尾方、また直腸の前では外側を通り、それぞれ会陰の中心腱へ放散する薄い前直腸線維束や前立腺挙筋として前立腺筋膜(あるいは恥骨腟筋として腟壁)へと分かれる。それより鼻側にある肛門挙筋の線維束は恥骨直腸筋として直腸の背側を取り囲み、反対側の線維と共にループを形成する。恥骨尾骨筋の外側束は尾骨と仙骨の背側に広がる。腸骨尾骨筋の筋線維は尾骨と仙骨に付き、また肛門と尾骨の間では強靱な線維束である肛門尾骨靱帯に付いている。)