456
- 456_01【External occipital protuberance外後頭隆起;後頭結節;外後頭結節 Protuberantia occipitalis externa】 Easily palpable bony projection at the border between the occipital and nuchal planes.
→(外後頭隆起は凸面をなす後頭鱗の外面のほぼ中央に外後頭隆起がある。)
- 456_02【Mastoid process乳様突起;乳突隆起 Processus mastoideus】 Projection behind the external acoustic meatus that contains the mastoid cells.
→(乳突部の大部分は、下前方に向かって突出する大きい乳様突起で占められる。その表面は胸鎖乳突筋の着くところで粗である。乳様突起の内部は成人では大部分、多数の小さい乳突蜂巣で占められる。これは生後に乳様突起の発育に伴って拡がるもので、その拡がりは個体によりかなりまちまちであり、錐体の方にもおよぶ。乳突蜂巣は互いに迷路状につながっていて、そのつづきは乳様突起の上半分にある乳突洞につながっている。乳突洞はその前方の小さい乳頭洞入口を経て、後方から鼓室の上部に開く。生体では鼓室の内面を被う粘膜の続きが乳突洞を経てすべての乳頭蜂巣の内面にまでおよんでいる。)
- 456_03【Longissimus capitis muscle頭最長筋 Musculus longissimus capitis】 o: Transverse processes from T3-T1 and C7-C3. i: Mastoid process.
→(頭最長筋は「最長筋の頚部起始筋束の内側で」C3~T3の横突起から起始する。この筋線維は細長い、より矢状方向に配列した筋束を形成し、側頭骨の乳様突起に停止する。)
- 456_04【Semispinalis muscle半棘筋 Musculus semispinalis】 Superficial layer of the transversospinal muscles. Its fibers span as many as five or more vertebrae. Absent in the lumbar region.
→(半棘筋は3層からなる横突棘筋系の最表層のものである。これは腰部では欠損する。筋走行は横突起から棘突起または後頭骨の相同部へ走る。筋束は少なくとも5個、通常6~7個の椎骨を越える。起始域は第(12)11胸椎から第3頚椎に、停止域は第(4)3胸椎から第2頚椎と後頭平面である。頭部のもの(頭半棘筋)は環椎後頭関節を越えて正中近くの後頭骨の鱗状部にわたり、関係する共同筋に応じて頭部の強力な回旋、静止、または強度の背屈に協力する。)
- 456_05【Spinous process of C7 vertebra; Spinous process of vertebra promines棘突起(第7頚椎の) Processus spinosus (Vertebra cervicalis VII)】
→()
- 456_06【First rib [I]第一肋骨 Costa prima [I]】 The only rib that is only bent around the edge.
→(第1肋骨は強い弓状の弯曲を示すが、ねじれがほとんどないので、上下に扁平である。肋骨頚は細いが、肋骨体は幅広い。第1肋骨での上面と下面の区別は他の肋骨ほど容易ではない。しかし上面では肋骨体の中央で内側知覚に小さな突出物(前斜角筋が付くところ)があり、この小突出物のすぐうしろには、肋骨体を斜めに横切る幅1cm弱の浅い溝(肋骨下動脈が接するための溝)が見える。小突出物の前方にも更に幅の広い溝(鎖骨顆上脈が接するためのくぼみ)があるが、その輪郭ははっきりしないことが多い。第1肋骨の肋骨頭関節面もクサビ形でなく、丸い凸面を示す。また第1肋骨ではその弯曲が急に変わる点(すなわち他の肋骨での肋骨角に相当する部分)が肋骨結節に一致している。)
- 456_07【Longissimus cervicis muscle; Cervical longissimus muscle; Longissimus muscle of neck頚最長筋 Musculus longissimus cervicis; Musculus longissimus colli】 o: Transverse processes of T6-T1. i: Transverse processes of C7-C2.
→(頚最長筋は上位6個の胸椎の横突起から起始し、通常、C3~C6(7)の横突起の根部から追加起始筋束を受ける。停止腱はC2~C5の横突起の後結節に付着する。)
- 456_08【Spinous process of T6 vertebra; Spinous process of sixth thoracic vertebra棘突起(第6胸椎の) Processus spinosus (Vertebrae thoracic VI)】
→()
- 456_09【Sixth rib [VI]第6肋骨 Costa VI; [VI]】
→()
- 456_10【Mamillotendious bund乳突腱筋束;乳頭腱束 Fasciculi mamillotendinei】
→(")
- 456_11【Spinous process of T12 vertebra; Spinous process of twelfth thoracic vertebra棘突起(第12胸椎の) Processus spinosus (Vertebrae thoracic XII)】
→()
- 456_12【Twelfth rib [XII]第12肋骨 Costa XII】
→()
- 456_13【Pelvis骨盤 Pelvis】
→(骨盤を形づくる骨は左右の寛骨とそれらの間にある仙骨ならびに尾骨である。寛骨は腸骨、坐骨および恥骨の3個の骨が合して1つの骨となったもので、胎生期から少年期までは軟骨によって結合されているが、16~17才頃に骨化して完全に一つの寛骨となる(骨結合)。これら3つの骨がY字型に合するところは股関節の関節窩に相当し、寛骨臼といわれ、臼のような形に凹んでいる。仙骨は5個の仙椎が癒合して1つの骨なったものであり、また尾骨も3~6個の小さい尾椎がくっついて1つの骨になったものである。さて、左右の寛骨は前の方では線維軟骨によって結合(線維軟骨結合)されており、恥骨結合とよばれる。後ろの方では寛骨の茸状面と仙骨の同じ名の面とが仙骨関節によって結合される。仙腸関節は関節という名がついているけれども、向かい合う関節面の形や大きさがほぼ同じで、そのうえ関節包は狭く、且つ4つの短いが、強い仙腸靱帯により結びつけれているので、ほとんど動かない(半関節)。骨盤は大骨盤と小骨盤とに区分され、その界には分界線がある。分界線は岬角(第5腰椎と仙骨の結合するところで、前下にとびだしている)、腸骨の弓状線、恥骨櫛および恥骨結合の上縁を結ぶ線の事で、その囲む面は平面に近い。大骨盤は広く、浅い鉢のような容器で、腹腔の下部に位し、腹部内臓を容れる。外側には腸骨翼があり、後ろには仙骨の上端があるが、そのほかに第4、5腰椎と腸骨稜との間に張る腸腰靱帯もまた後壁をなす。しかし前は開放されている。また上前腸骨棘と恥骨結節との間には鼡径靱帯があり、これと腸骨前縁との間を腸腰筋や血管が通る。小骨盤は短い円筒状で、骨盤腔の中に骨盤内臓を容れる。ふつう骨盤といえば小骨盤(狭義の骨盤)だけをさすが、大骨盤を含めた広義の骨盤は骨格の中でも性差の最もはっきりした部分で、産科学で重要視される。小骨盤の前壁は恥骨、両側壁は坐骨と腸骨の一部でつくられる。前外側壁には閉鎖孔があり、閉鎖孔のところだけを残して閉鎖膜が張っており、筋のつき場所となる。後壁は仙骨と尾骨でつくられるが、大部分は骨のないところで、ほぼ縦に走る仙結節靱帯と、その前でこれと交叉するように横に張る仙棘靱帯の両者がここを補っている。大と小の坐骨切痕は仙結節靱帯によりそれぞれ大と小の坐骨孔にわけられる。そして大坐骨孔は梨状筋(仙骨前面から起こり、大転子につく)が骨盤の外へ出る通路をなし、またこの孔の中で梨状筋より上の部分を梨状筋上孔といい、上臀神経と同名の血管が通る。下の部分を梨状筋下孔といい、坐骨神経、下臀神経と同名の血管、陰部神経と同名の血管が通る。また小坐骨孔は内閉鎖筋(骨盤の内面)で、閉鎖膜とそのまわりから起こり、大転子につく)の腱が骨盤の外へ出る通路をなす。小骨盤の入口は分界線によって囲まれ、小骨盤の出口は坐骨結節、恥骨下縁および尾骨の下端を結ぶ凸凹の線によって境される。なお骨盤の入口と出口の前後径の各中点を通る前に向かって凹な曲線を骨盤軸といい、分娩のとき胎児の頭が通る道(産道)の軸をなす。恥骨結合の下部は恥骨価格といわれ、男では角度が急であり、女では角度が鈍く弓状をなすので、恥骨弓と呼ばれる。骨盤の出口をふさぐ軟部組織として前上に尿生殖角隔膜と深会陰横筋がある。これらを男では尿道、女では尿道と腟が貫く。また後ろ下には肛門挙筋があり、内閉鎖筋の筋膜の一部(腱弓といわれ、特に丈夫になっている部分)から起こり、漏斗上に肛門に付く。骨盤は全身の骨格のなかで性差の最もはっきりした部分で、特に目立つのは小骨盤腔(狭義の骨盤腔)が女では男よりもひろく、たけが低いことであるこれは分娩ということを考えれば当然である。Pelvisはギリシャ語のpelisに由来するラテン語で、ローマ時代には縁がややめくれた広口の深い容器を意味した。骨盤のことをpelvisというようになったのは16世紀の末である。)
- 456_14【External intercostal muscle外肋間筋 Musculi intercostales externi】 Muscles that extend obliquely between the ribs from posterosuperior to anteroinferior. They are active during inspiration and fix the ribs. I: Intercostal nerves.
→(外肋間筋は、肋間筋の表層を形成する。この筋は肋骨結節から肋骨の骨軟骨境界に至るまで全肋間に分布する。この筋線維は後上から前下に向かって斜走する(外腹斜筋と同様に)。)
- 456_15【Longissimus thoracis muscle; Thoracic longissimus muscle; Longissimus muscle of thorax胸最長筋;背最長筋 Musculus longissimus thoracis; Musculus longissimus dorsi】 o: Sacrum, spinous processes of lumbar vertebrae, transverse processes of lower thoracic vertebrae, i: Medially on the transverse processes of the lumbar and thoracic vertebrae; laterally on the costal process of the lumbar vertebrae, ribs, and anterior layer of thoracolumbar fascia.
→(胸最長筋は腰部腸肋筋と一緒に強大な腱板でもって腰椎棘突起、仙骨、腸骨後縁、後仙腸靱帯から起始する。いわゆる副突起は下位6個の胸椎横突起と上位2個の腰椎の乳頭突起に由来する。胸部では内側への停止は全胸椎の横突起であり、外側への停止は第2~12肋骨の助骨角の内側である。脊柱腰部では、筋束は上記相同の部分へ、内側の筋束は第1~4腰椎の副突起(L5の乳頭突起と同じように)へ、そして外側の停止は第1~4腰椎肋骨突起(胸腰筋膜の深層と同じように)至る。)
- 456_16【Semispinalis thoracis muscle; Thoracic semispinalis muscle胸半棘筋;背半棘筋 Musculus semispinalis thoracis; Musculus semispinalis dorsi】 o: Transverse processes of T12-T6. i: Spinous processes of T3-C6. I: Posterior rami of spinal nerves of T4-T6.
→(胸半棘筋の起始は下位6個の胸椎横突起。停止は初めの4個の胸椎と最後の2個の頚椎の棘突起。機能として脊柱の伸展、側方屈曲。頭、肋骨、骨盤の伸展。神経支配は上位6本の胸神経の内側後枝。動脈は後肋間動脈の筋枝、後頭動脈の下行枝、肋頚動脈の深頚枝から受ける。)
- 456_17【Multifidus muscle多裂筋 Musculi multifidi】 Muscles passing in transversospinal fashion from the sacrum to the second cervical vertebra. Strong muscle fibers in the lumbar region. I: Posterior rami of spinal nerves of S4-C3.
→(回旋筋の表層に位置し、横突棘筋系である多裂筋は腰部でよく発達する。多裂筋の起始は仙骨背面、後仙腸靱帯、腰椎の乳様突起、胸椎の横突起、下位4個の頚椎関節突起からおこり、停止は起始である脊椎より1個上の頚椎の棘突起につく。機能として脊柱の伸展、側方屈曲、回旋の補助。骨盤の伸展と側方移動。神経支配は前脊髄神経の後枝。動脈は後肋間動脈と腰動脈の内側枝。肋頚動脈の深頚枝から受ける。さまざまな方向に羽状化した筋束のうち、深部のものは起始と停止が2椎骨を越え、浅部のものは3~5つ骨を越える。筋走行は胸椎の棘突起または仙骨、腰椎、頚椎の相同部付近から起こり、上位椎骨の棘突起へ斜め上内側法へ走る。深層の筋束は2個の椎骨を飛び越える。浅層の筋束は3-5個を飛び越える。起始域は第4仙椎から第4(5)頚椎に、停止域は第5腰椎から第2頚椎である。)