524
- 524_01【Soleus muscleヒラメ筋 Musculus soleus】 o: Head of fibula, upper one-third of the posterior surface of tibia, i: Achilles tendon. Plantar flexion and supination.
→(ヒラメ筋の下腿後区浅層の筋の1つ。大半は腓腹筋におおわれ、腓骨頭から腓骨後面、腱性弓(ヒラメ筋腱弓)および脛骨(ヒラメ筋線と内側縁)に起始する。ヒラメ筋腱弓は腓骨から脛骨へ至り、神経血管索をまたぐ。ヒラメ筋はアキレス腱を介して踵骨隆起に停止する。ヒラメ筋の筋腹は腓腹筋の筋腹よりも遠位に伸び、微細な腱様層によっておおわれている。その上を腓腹筋が滑走する。ヒラメ筋は複合羽状筋で、前頭平面に位置する腱様膜によって浅層の筋層に分けることができる。脛骨神経の支配を受ける。この筋は腓腹筋、足底筋とともに距腿関節における足の底屈を生じさせる。すなわち、これらの3筋は歩行、歩行時に、地面を後方に蹴るための力を出すのである。)
- 524_02【Medial surface of fibula内側面;脛側面(腓骨の) Facies medialis; Facies tibialis】 Surface of the shaft facing the tibia between the anterior and interosseous borders.
→(腓骨の内側面はややくぼんだ、はなはだ幅が狭い面で、骨間膜と前下腿筋間中隔とにはさまれた下腿伸筋群が起こる場所となる。)
- 524_03【Flexor digitorum longus muscle長趾屈筋;長指屈筋(足の) Musculus flexor digitorum longus】 o: Tibia, i: Distal phalanges of the second through fifth toes. Plantar flexion, supination, flexion of toes. I: Tibial nerve.
→(長趾屈筋はヒラメ筋線より遠位の脛骨後面およびヒラメ筋腱弓の一部から起こる。その停止腱は基節骨の領域で短趾屈筋の腱を貫通し(第2~5)趾の末節骨に停止する。長趾屈筋の腱は腱鞘に包まれて、内果溝を後脛骨筋腱の背外側に走り、屈筋死体の下を載距突起内側縁に沿って足底に至る。舟状骨粗面のレベルでは長母趾屈筋腱の浅層を通る。この際、長母趾屈筋の健束が長趾屈筋の腱に混じる。この腱交叉位遠では足底方形筋が長趾屈筋の腱に付く。この付加的な屈筋は長趾屈筋停止腱の牽引方向を趾放線の長軸方向と関連させる。同一趾へ向かう長趾屈筋(「貫通筋」と短趾屈筋「被貫通筋」)の停止腱は腱鞘(滑液鞘に包まれる。腱鞘は第1中足骨頭の上方から始まり、末節骨までのびている。これらの滑液鞘は線維鞘に包まれる。線維鞘は手指におけると同じように横走線維と交織する線維(輪状および十字部)からなる。)
- 524_04【Tibialis posterior muscle後脛骨筋 Musculus tibialis posterior】 o:Tibia, fibula, interosseous membrane, i: Navicular, cuneiform bones I-III, and metatarsals II-IV. Plantar flexion and supination. I: Tibial nerve.
→(後脛骨筋は骨間膜の広い領域から起こる。狭い辺縁部は腓骨と脛骨の近位部に起こり、浅い線維束は浅深の屈筋間にある結合組織から起こる。後脛骨筋の腱は内果上方で長趾屈筋の腱の下を横切り(下腿腱交叉)、その主束は舟状骨粗面につき、その外側束は(しばしば)すべての遠位足根骨と第2~4中足骨底の足底面に付く。内果溝で後脛骨筋の腱は腱鞘に包まれ、内果下方では屈筋支帯におおわれている。深屈筋群へ脛骨神経の筋枝の中で後脛骨筋への枝はほかの枝よりもずっと近位、ヒラメ筋腱弓のレベルで出る。母趾とそのほかの趾への長屈筋群に対する近位の枝は下腿中位1/3へうつるレベルで脛骨神経から分かれる。脛骨神経からの筋枝は普通下腿遠位1/2からも分かれる。後脛骨筋は脛骨神経の支配を受ける。この筋の収縮により距腿関節における足の底屈、距骨下関節および横足根関節による足の内反が得られる。この筋は内層の縦足弓を維持するうえにも重要である。この筋の収縮が足底で数個の骨を互いに引き寄せるうえに役立つことにも注意すべきである。)
- 524_05【Flexor hallucis longus muscle長母趾屈筋;長母指屈筋(足の) Musculus flexor hallucis longus】 o: Fibula, i: Distal phalanx of great toe. Plantar flexion, supination, flexion of great toe. I: Tibial nerve.
→(長母趾屈筋はずっと内側に(おもな腱は第1末節骨底に)停止する。その起始は下腿の外側、つまり腓骨後面の遠位2/3,骨間膜の狭い紐状部分および後筋間中隔である。その腱は長趾屈筋腱の下を横切り(足底腱交叉)、足底で第2および第3(まれに第4)趾末節骨に腱性停止を送る。距骨後面と載距突起下面において長母趾屈筋の腱は溝の中を走る。同筋は腱鞘に包まれる。腱鞘は内果先端のレベルにはじまり、遠位へ伸び、第1中足骨底に至る。停止腱は第1中足骨頭から末節骨に至るまで腱鞘に包まれている。腱鞘は線維性のおおいによって母趾の各分節に付く。)
Achilles tendon
- 524_06Achilles tendon【Calcaneal tendon踵骨腱;下腿三頭筋腱;アキレス腱 Tendo calcaneus; Tendo musculus tricipitis surae】 Tendon of the triceps surae that attaches on the calcaneal tuberosity.
→(アキレス腱とも呼ばれる。踵骨腱(下腿三頭筋の停止腱)。ギリシャの英雄アキレスの唯一の弱点が踵にあったことから名づけられた。アキレスとはホーマーの叙事詩イリアドIliadの主人公でギリシャの英雄である。彼が将来トロイとの戦いで戦死するだろうという予言を聞いた母のテーティスThetis(海の女神)は、赤ん坊のアキレスをスティックス河(冥界の川)の聖流に浸して不死身のからだとした。けれどもそのとき母親がアキレスの足首をつかんでいたので、踵の所だけが魔法の水にぬれず、彼の唯一の泣きどころになってしまった。立派に成人したアキレスは、トロイ戦争でギリシャ軍に加わって、数々の武功を立てたが、トロイの応じパリスParisが放った矢がアキレスの踵を射抜き、さすがの彼も倒れたというのである。降って1693年にベルギーの解剖学者P.Verheyenが切断された自分の足を解剖しながら、イリアドの故事を思い起こして、踵骨腱のことを初めてアキレス腱と名付けたといわれる。)
- 524_07【Inferior extensor retinaculum of foot下伸筋支帯[足の];下腿十字靱帯 Retinaculum musculorum extensorum inferius pedis; Ligamentum cruciforme cruris】 Thickened portions of the deep fascia of the leg that extend as cruciate bands from both malleoli to the opposite margins of the foot.
→(足の下伸筋支帯は足背筋膜の近位部が厚くなったもので、踵骨外側面の前上部から起こって内果と内側楔状骨に向かうY字形をなす。下伸筋支帯の外側脚は最も強く、第3脛骨筋、長趾伸筋の腱および短趾伸筋の浅深両面を包む。これをワナ靱帯(INA)ともいう。上内側脚はやや弱く、長母趾伸筋の浅面と前脛骨筋の唇面を通り内果につくが、さらに弱い層がこの2腱の他の面を包む。下内側脚は最も弱く長母趾伸筋の浅面を被う、そのほか下内側脚のさらに前方長・短母趾伸筋を被うものがある(母趾伸筋支帯)。またまた外側脚のほかに上外側脚があるときは、外果から起こり、全体として十字状となる。)
- 524_08【Medial malleolus内果;脛骨踝 Malleolus medialis; Malleolus tibiae】
→(脛骨下端の内側部は内果と呼ばれ、生体で皮下によくふれられる。内果のすぐ後方に、これに接して浅い溝が弓状に走るが、これは長趾屈筋の腱が通るところである。)
- 524_09【Deep fascia of leg下腿筋膜;深下腿筋膜 Fascia cruris; Fascia cruris profunda】 Fascia that is fused with the free margins of the leg bones, and partly giving origin to the muscles of the leg. Thickened, interwoven portions form retinacula, which hold the flexor and extensor tendons in place.
→(下腿筋膜は大腿筋膜につづいて下腿の筋を包み、脛骨の前縁と内側縁につく。下方は足背筋膜につづく。脛骨内側面は筋に被われないのであるが、その上端部には薄筋、縫工筋および半腱様筋の腱膜が鵞足を作って放散している。また、伸筋の上部では筋の起始となるため厚い。下端部は厚くなって、伸筋の前で上伸筋支帯、外果の後方では上腓骨筋支帯、内果の後下では屈筋支帯を作っている。)
- 524_10【Tibialis anterior tendon前脛骨筋腱 Tendo musculus tibialis anterior】
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- 524_11【Extensor hallucis longus tendon長母趾伸筋腱 Tendo musculus extensor hallucis longus】
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- 524_12【First metatarsal bone; 1st metatarsal bone第1中足骨 Os metatarsale I】
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- 524_13【Abductor hallucis muscle母趾外転筋;母指外転筋(足の) Musculus abductor hallucis】 o: Calcaneal tuberosity. i: Medial sesamoid bone and proximal phalanx of great toe. Medial abduction, supports longitudinal arch of foot. I: Medial plantar nerve.
→(母趾外転筋は踵骨隆起の内側突起、屈筋支帯および足底腱膜から起始する。腱となり内側種子骨を介して母趾の基節骨底内側面および短母趾屈筋の内側腱に停止する。内側足底神経の支配を受ける。この筋の収縮は母趾の屈筋と外転とをもたらす(体重を支えていない下肢の場合)。また、体重を支えている下肢においては、この筋の収縮が内側縦足弓の維持に役立つ。 )
- 524_14【Flexor retinaculum of foot屈筋支帯[足の];破裂靱帯 Retinaculum musculorum flexorum pedis; Ligamentum laciniatum】 Multilayered band situated over the long flexor tendons passing from the medial malleolus to the calcaneus. Its superficial portion invests the tibial nerve and posterior tibial artery and veins. Its deep portion forms an osteofascial canal with compartments containing the posterior tibial flexor muscles, flexor digitorum longus, and flexor hallucis longus.
→(足の屈筋支帯は下腿筋膜の厚くなったもので、内果の下部から扇状に広がって、前部は舟状骨に後部は踵骨につき中間部は足底腱膜に移行する。屈筋支帯は後脛骨筋と長趾屈筋の腱を被い、またその間の隔壁を骨に送ったのち、載距突起についてさらに長母指屈筋腱溝を被う深葉と、脛骨神経および後脛骨動静脈を被う浅葉とに分かれる。)
- 524_15【Bursa of tendocalcaneus; Bursa of calcaneal tendon; Retrocalcaneal bursa踵骨腱の滑液包;アキレス腱の滑液包;下腿三頭筋腱嚢 Bursa tendinis calcanei; Bursa tendinis musculus tricipitis (Achillis)】 Bursa between the calcaneus and Achilles tendon.
→(踵骨腱の滑液包はアキレス腱と踵骨隆起の後面との間にある。)