631_01【Patella膝蓋骨 Patella】 The kneecap, which is embedded in the tendon of the quadriceps femoris muscle. →(膝関節の前面にあり、尖端を下方に向けた扁平な栗の実によく似た骨で、幅広い上端部が膝蓋骨底で、尖った下端部が膝蓋骨尖である。大腿四頭筋腱中に発生した種子骨とみなされ、上縁には大腿直筋と中間広筋の内側縁には内側広筋の、外側縁には外側広筋のそれぞれの腱が付着する。前面は凸面状で、大腿四頭筋腱による縦に走る小隆起を伴う粗面をなし、小血管孔がある。後面には、上方の広い卵形の平滑な面と、下方の小さい逆三角形の粗な面がある。平滑な面は大腿骨の膝蓋面に対する関節面をなし、中央部にある縦方向の隆起によって小さい内側部と大きい外側部に分けられる。下方の粗面の下端には膝蓋靱帯が付着するが、粗面の上方部には脂肪組織が入り、脛骨と膝蓋骨とを隔てる。ラテン語のPatera(皿・円板状の)の縮小形。)
631_02【Superficial epigastric vein浅腹壁静脈 Vena epigastrica superficialis】 Subcutaneous companion vein of the superficial epigastric artery. →(浅腹壁静脈は浅腹壁動脈に伴行して臍の付近の皮下にはじまり、下行して鼡径靱帯の表層を通り、浅腸骨回線静脈と共同間で、または単独で大腿静脈あるいは大伏在静脈に注ぐ。)
631_03【Saphenous opening伏在裂孔;卵円窩 Hiatus saphenus; Fossa ovalis】 Large aperture in the fascia lata just below the inguinal ligament for the passage of the great saphenous vein. →(BNA,INAでは卵円窩とも呼ばれていた。大腿の前面上部にある大腿筋膜の欠損部で、鼡径靱帯内側端の下方にある。大伏在静脈が大腿静脈に合する直前でこれを通過する。裂孔の周縁をつくる大腿筋膜は肥厚して内側に向いたC字形を示し、その上縁を上角、下縁を下角といい、また両者の中間部を鎌状縁という。伏在裂孔の内側部では、大腿筋膜はその深層の恥骨筋膜に移行して裂孔の床をつくるが、この部はリンパ管や血管によって貫かれて網状を呈し、これを篩状筋膜という。)
631_04【Superficial dorsal veins of penis♂浅陰茎背静脈;皮下陰茎背静脈(♂) Venae dorsales superficiales penis; Venae dorsales penis subcutaneae♂】 Paired epifascial veins that open into the femoral vein or external pudendal veins. →(浅陰核背静脈は浅および深陰茎筋膜の間を走る無対の静脈で、恥骨結合の前で左右に分かれて、それぞれの大腿静脈に注ぐ。)
631_05a【Superficial external pudendal artery浅外陰部動脈 Arteria pudenda externa superficialis】 It passes medially through the fascia cribrosa. →(浅外陰部動脈は鼡径靱帯の直下で大腿動脈の内側面に分岐する。大伏在静脈の浅層を通る。)
631_06【Deep dorsal vein of penis; Dorsal vein of penis♂深陰茎背静脈;陰茎背静脈;筋膜下陰茎背静脈(♂) Vena dorsalis profunda penis; Vena dorsalis penis♂】 Subfascial vein of the dorsum of penis lying below the pubic symphysis between the inferior pubic ligament and transverse perineal ligament that passes to the prostatic venous plexus. It lies between the deep fascia of penis and tunica albuginea and is usually unpaired. →(深陰茎背静脈は陰茎背面の正中線で左右の陰茎背動脈の間にある無対性の太い静脈。陰茎亀頭および陰茎海綿体より血液を集め、深陰茎筋膜の深層を背側に走り、次いで恥骨結合の下縁に沿って恥骨弓靱帯と尿生殖三角の間から骨盤腔に入り、前立腺静脈叢にそそぐ。一部の静脈は陰茎背動脈に沿って坐骨直腸窩に出て内陰部静脈へそそぐ。)
631_07【Great saphenous vein; Long saphenous vein大伏在静脈 Vena saphena magna】 Vein possessing valves that arises on the medial side of the foot and ascends medially, collecting most of the medial superficial cutaneous veins. It passes through the saphenous opening to empty into the femoral vein. →(大伏在静脈は古くは薔薇静脈とよんだこともある。ギリシャ語のsaphisは「見える」という意味であるというが、他方アラビア語では「かくれた」という意味を表すという。このように語原的にはギリシャ語とアラビア語では反対の意味に解されているのは興味深いが、いずれにしてもVena saphenaの語原ははっきりしていない。大伏在静脈は下肢最大の皮静脈で、下肢の内側に沿って皮下組織の中を上行する。足背の内側縁にはじまり、内果の前を通るが、この部分で皮膚のうえからその走行をみることができる。伏在神経と伴行して下腿の内側を通り、膝関節の後内側を経て大腿内側面を上行し、鼡径靱帯の下方で深く入り、伏在裂孔で大腿静脈にそそぐ。この経過の途中、周辺より多くの皮静脈がこれに合流するが、とくに大腿の内側と後面よりの皮静脈は1本に合して伏在裂孔のやや下方で大伏在静脈にそそぐことがある。これを副伏在静脈という。また大腿の前面や外側面よりの皮静脈が合しこれにそそぐときは、とくに外側伏在静脈とよぶことがある。このときは大内々側面よりのものは内側伏在静脈という。)