967


- 967_00【Sole; Plantar region; Sole of foot足底部;足底 Planta; Regio plantaris】
→(足根部の関節より前方部の下面をいう。無毛で通常メラニン色素をもたず、分厚く、体重のかかる部分には皮膚隆線が備わっている。)
- 967_01【Tibial nerve脛骨神経 Nervus tibialis】 Second terminal branch of the sciatic nerve arising from L4-S3. It travels through the popliteal fossa, passes deep to the tendinous arch of the soleus, and accompanies the posterior tibial artery around the medial malleolus to the sole of the foot.
→(脛骨神経はL4~S3より起こる。坐骨神経の第二の終枝。膝窩を通りヒラメ筋腱弓の下をすぎ後脛骨筋とともに内果をまわり、足底へ達す。下腿の屈筋群、足底の諸筋、下腿の後面と足底の皮膚に分布するが、次の神経はいずれも脛骨神経の末梢枝である。①下腿骨間神経(下腿骨間膜の後縁に沿って走り、足関節のあたりに達する)、②内側被覆皮神経、腓腹神経、外側足背神経(ひとつづきのもので下腿後面から足背外側部の皮膚に分布)、③内側足底神経と外側足底神経(ともに足底の諸筋に分布する枝を出したあと、趾の足底面や足底の皮膚に分布するため、総底側趾神経に枝分かれし、固有底側趾神経となっておわる)。)
- 967_02【Posterior tibial artery後脛骨動脈 Arteria tibialis posterior】 It passes beneath the tendinous arch of soleus under the superficial flexor group and passes from posterior to the medial malleolus.
→(後脛骨動脈は腋窩の近位部で腋窩動脈からつづいてはじまり、ヒラメ筋腱弓の深層を通ってヒラメ筋と後脛骨筋の間を下行し、距腿関節を後面を経て、屈筋下におおわれて内果と踵骨隆起の間を通り、母趾外転筋の深層で内側および外側足底動脈に分かれて終わる。脛骨神経が伴行する。)
- 967_03【Lateral plantar nerve外側足底神経;腓側足底神経 Nervus plantaris lateralis; Nervus plantaris fibularis】 Terminal branch of the tibial nerve. It passes below the flexor digitorum brevis alongside the lateral plantar artery to the base of the fifth metatarsal.
→((Netter)外側足底神経は、手における尺骨神経と相同である(図9)。屈筋支帯の深部に始まり、外側足底動静脈の内側に沿って足底を前外方にはしる。この神経は、短趾屈筋と足底方形筋の間、ついで短趾屈筋と小趾外転筋の間を通り、第5中足骨底近傍で浅枝と深枝に分岐して終わる。分岐以前に、外側足底神経は足底方形筋と小趾外転筋に筋枝を、足底腱膜を貫いて足底外側面を支配する皮枝を派生する。 浅枝は、固有足底趾神経と総底側視神経とに分かれる。固有足底趾神経は、足底および先端を含む小趾の外側面の皮膚と筋膜を支配し、また、小趾屈筋および第4中足間の骨間筋に対して筋枝を出し、第5中足趾節関節と趾節間関節に枝を送る。総底側趾神経は2本の固有足底趾神経に分岐し、各枝は第4、第5趾の足底面と側面の皮膚と筋膜、およびこれらの趾の爪床を支配する。深枝は内方へカーブして、趾屈筋群と腱と母趾内転筋斜頭の深部表面上にある足底動脈弓に伴行する。母趾内転筋、第2,第3,第4虫様筋、ならびに内側3中足骨の間にある骨間筋へ筋枝を出し、足底動脈球と近くの関節へ小枝を送る。)
- 967_04【Medial plantar nerve内側足底神経 Nervus plantaris medialis】 Thicker terminal branch of the tibial nerve. It travels beneath the flexor retinaculum and abductor hallucis to the sole of foot. It supplies the skin, abductor hallucis and flexor digitorum brevis.
→(内側足底神経は、外側足底神経よりも大きく、手における正中神経と相同である(図8)。この神経は、屈筋支帯の下で脛骨神経より起こり、始めは母趾外転筋の深部を内側足底動静脈の外側に沿って走り、ついで母趾外転筋と短趾屈筋の間を進み、最終的には短母趾屈筋と短趾屈筋の間を進み、最終的には短母趾屈筋と短趾屈筋との間を走行する。ほぼ足根中足関節のⅠで、内側足底神経は母趾内側皮膚へ行く固有底側趾神経と3本の総底側趾神経に分岐して終わる。この分岐より以前に、内側足底神経は、母趾外転筋、短趾屈筋および短母趾屈筋への筋枝;足底腱膜を貫き足底後内側部を支配する皮枝;近接する足根関節と足根中足関節への関節枝、および内側足底動静脈への血管枝を派生する。総底側趾神経が出す枝は、第1虫様筋へ、時として第2虫様筋への筋枝、足底の前方部の内側2/3への皮枝、近くの関節と血管への関節枝と血管枝である。総底側趾神経は、最終的には固有足底趾神経と、上方へカーブして走る爪床枝とに分枝する。固有底側趾神経は内側3足趾の側面とこれらの趾の足底面を支配する。)
- 967_05【Flexor retinaculum of foot屈筋支帯[足の];破裂靱帯 Retinaculum musculorum flexorum pedis; Ligamentum laciniatum】 Multilayered band situated over the long flexor tendons passing from the medial malleolus to the calcaneus. Its superficial portion invests the tibial nerve and posterior tibial artery and veins. Its deep portion forms an osteofascial canal with compartments containing the posterior tibial flexor muscles, flexor digitorum longus, and flexor hallucis longus.
→(足の屈筋支帯は下腿筋膜の厚くなったもので、内果の下部から扇状に広がって、前部は舟状骨に後部は踵骨につき中間部は足底腱膜に移行する。屈筋支帯は後脛骨筋と長趾屈筋の腱を被い、またその間の隔壁を骨に送ったのち、載距突起についてさらに長母指屈筋腱溝を被う深葉と、脛骨神経および後脛骨動静脈を被う浅葉とに分かれる。)
- 967_06【Abductor hallucis muscle母趾外転筋;母指外転筋(足の) Musculus abductor hallucis】 o: Calcaneal tuberosity. i: Medial sesamoid bone and proximal phalanx of great toe. Medial abduction, supports longitudinal arch of foot. I: Medial plantar nerve.
→(母趾外転筋は踵骨隆起の内側突起、屈筋支帯および足底腱膜から起始する。腱となり内側種子骨を介して母趾の基節骨底内側面および短母趾屈筋の内側腱に停止する。内側足底神経の支配を受ける。この筋の収縮は母趾の屈筋と外転とをもたらす(体重を支えていない下肢の場合)。また、体重を支えている下肢においては、この筋の収縮が内側縦足弓の維持に役立つ。 )
- 967_07【Plantar aponeurosis足底腱膜 Aponeurosis plantaris】 Strong, thickened, tendinous fascial sheet on the sole of the foot. It is spread between the calcaneal tuberosity and the plantar ligaments of the metatarsophalangeal joints. It supports the longitudinal arch of the foot.
→(足底の皮下にあって、踵骨から足指に向かって扇形にほろがる強い腱膜で、主として縦走線維よりなるが、一部には表層の皮膚に向かって垂直方向に走る短くて強い線維がある。踵骨に近い部分では厚いが、次第に薄くなってほぼ中足骨底の位置で5束に分かれて各趾に放散する。5束に分かれた各線維束は、中足趾節関節のあたりで浅層と深層に分かれ、前者はそのまま前進して各趾の皮膚へつき、後者はさらに二分して、その間に趾屈筋の腱を挟んでその腱鞘へ付着する。各趾に放散した各束の間からは、趾神経・趾動脈および虫様筋が表層にあらわれる。また足底腱膜が5束に分岐する地点では、横走する線維が発達して、各趾に放散する各束を互いに結合している。これを横束という。また足底腱膜の両側縁よりは、足底深部に向かって内側および外側の筋間中隔を送り、これらは近位で著明で、母趾球筋(母趾内転筋を除く)、小趾球筋中足筋群より隔てている。なお足底腱膜の定義をより広く解釈して、上述の最もよく発達した部分をその中央部とみなし、これにさらに母趾球筋と小趾球筋をおおう部分をそれぞれ足底腱膜の内側部、外側部とよんで区別することがある。このとき、その内側部の腱膜は母趾外転筋をおおい、屈筋支帯からつづく。また外側部の腱膜は小趾外転筋を包んで、ここに踵骨隆起と第5中足骨底との間で強く発達している。)
- 967_08【Flexor digitorum brevis muscle短趾屈筋;短指屈筋(足の) Musculus flexor digitorum brevis】 o: Calcaneal tuberosity and plantar aponeurosis. i: Its divided tendons insert onto the middle phalanges of the second through fifth toes. Flexion of metatarsophalangeal and middle phalangeal joints, support of longitudinal arch of foot. I: Medial plantar nerve.
→(短趾屈筋は踵骨粗面の下面および踵骨近くの足底靱帯の一部から起こる。その腱は第2~5趾の基節骨上方で分離し(“被貫通屈筋”)、その間に深層を走る長趾屈筋の腱(“貫通屈筋”)を挟み込み、第2~5趾中節骨に停止する。長および短趾屈筋の腱は趾部では腱鞘(滑液鞘)によって包まれる。腱鞘は中足骨遠位1/4からやっと始まる。短趾屈筋の腱は第5趾で欠損することがある。短趾屈筋は内側足底神経の支配を受ける。この筋は体重を支えない下肢においては第2~5趾の屈曲を生じさせる作用を示す。また、足に体重がかかっている場合には、この筋の収縮が内側および外側縦足弓の維持に役立つ。)
- 967_09【Superficial branch of lateral plantar nerve浅枝(外側足底神経の) Ramus superficialis (Nervus plantaris lateralis)】 Mainly sensory, superficial branch.
→(外側足底神経の浅枝は大部分は小指・第4指外側半・足底外側の皮膚に分布するが、短小枝屈筋や外側・足底骨間筋の外側にも分布する。主として、知覚枝性の枝。)
- 967_10【Flexor digitorum longus muscle長趾屈筋;長指屈筋(足の) Musculus flexor digitorum longus】 o: Tibia, i: Distal phalanges of the second through fifth toes. Plantar flexion, supination, flexion of toes. I: Tibial nerve.
→(長趾屈筋はヒラメ筋線より遠位の脛骨後面およびヒラメ筋腱弓の一部から起こる。その停止腱は基節骨の領域で短趾屈筋の腱を貫通し(第2~5)趾の末節骨に停止する。長趾屈筋の腱は腱鞘に包まれて、内果溝を後脛骨筋腱の背外側に走り、屈筋死体の下を載距突起内側縁に沿って足底に至る。舟状骨粗面のレベルでは長母趾屈筋腱の浅層を通る。この際、長母趾屈筋の健束が長趾屈筋の腱に混じる。この腱交叉位遠では足底方形筋が長趾屈筋の腱に付く。この付加的な屈筋は長趾屈筋停止腱の牽引方向を趾放線の長軸方向と関連させる。同一趾へ向かう長趾屈筋(「貫通筋」と短趾屈筋「被貫通筋」)の停止腱は腱鞘(滑液鞘に包まれる。腱鞘は第1中足骨頭の上方から始まり、末節骨までのびている。これらの滑液鞘は線維鞘に包まれる。線維鞘は手指におけると同じように横走線維と交織する線維(輪状および十字部)からなる。)
- 967_11【Common plantar digital nerves of medial plantar nerve総底側趾神経;総底側指神経(内側足底神経の) Nervi digitales plantares communes】 Nerves to the interdigital spaces 1-4 of toes. They divide into the proper plantar digital nerves.
→(第一~第四趾の対向縁を通る神経。固有底側趾神経を分枝する。 (Feneis))
- 967_12【Fatty layer of subcutaneous tissue; Superficial fatty layer of subcutaneous tissue; Subcutaneous adipose tissue脂肪層(皮下組織の);皮下脂肪組織 Panniculus adiposus (Telae subcutaneae)】
→(皮下によく発達した脂肪層。 (Feneis))
- 967_13【Proper plantar digital nerves固有底側趾神経;固有底側指神経 Nervi digitales plantares proprii】 Cutaneous nerves to the fibular and tibial flexor aspects of the medial 3 1/2 toes. They supply the distal phalanges, including their dorsal aspects.
→(内側3/1/2指の腓側および脛側屈面の皮膚へいたる枝。末節骨の背面も支配する。(Feneis))
- 967_14【Medial calcaneal branches of tibial nerve内側踵骨枝(脛骨神経の) Rami calcanei mediales (Nervus tibialis)】 Medial branches to the heel that arise directly from the tibial nerve.
→(脛骨神経の内側踵骨枝は脛骨神経の皮枝で踵部の内側面および下面に分布する。)