966
- 966_01【Sciatic nerve坐骨神経 Nervus ischiadicus】 Thickest nerve in the body, arising from L4-S3. It leaves the pelvis through the greater sciatic foramen distal to the piriformis and descends lateral to the ischial tuberosity, than travels deep to the gluteus maximus and long head of biceps femoris.
→(坐骨神経は人体中最大の神経であり、仙骨神経叢をつくる神経線維の大部分がこれの構成にあずかる。梨状筋の下で大坐骨孔を出てから大腿の後側を通り、筋枝をすべての大腿屈筋群にあたえたのち、膝窩のやや上方で総腓骨神経と脛骨神経とに分かれる。総腓骨神経は大腿二頭筋長頭の内側縁に沿って下り、腓骨上端の外側で次の終枝に分かれる。①外側皮腹皮神経(下腿外側面の皮膚に分布)、②深腓骨神経(下腿の伸筋群と足背の諸筋、および足背の皮膚に分布)、③浅腓骨神経(長腓骨筋、短腓骨筋への筋枝を出したあと内側足背皮神経、中間足背皮神経、足背趾神経となって足背の皮膚に分布)。脛骨神経は下腿の屈筋群、足底の諸筋、下腿の後面と足底の皮膚に分布するが、次の神経はいずれも脛骨神経の末梢枝である。①下腿骨間神経(下腿骨間膜の後縁に沿って走り、足関節のあたりに達する)、②内側皮腹皮神経、腓腹神経、外側足背神経(ひとつづきのもので下腿後面から足背外側部の皮膚に分布)、③内側足底神経と外側足底神経(ともに足底の諸筋に分布する枝を出したあと、趾の足底面や足底の皮膚に分布するため、総底側趾神経に枝分かれし、固有底側趾神経となっておわる)。)
- 966_02【Popliteal vein膝窩静脈 Vena poplitea】 Vein extending from the union of the anterior and posterior tibial veins to the adductor hiatus. It lies between the popliteal artery and tibial nerve.
→(膝窩静脈は膝関節の後面を上行する。膝窩筋の下縁の高さで、膝窩動脈よりも内側にあたる位置において、前脛骨動脈と後脛骨動脈にそれぞれ伴行する前および後脛骨静脈の合流にはじまる。膝窩を上行するうちに膝窩静脈は膝窩動脈の後方を横切り、膝窩動脈の外側方に並ぶようになる。やや上内方へ走って小伏在静脈の流入を受けたのち内転筋腱管裂孔を通って大腿静脈に移行する。これに合流する枝として膝静脈、小伏在静脈がある。)
- 966_03【Popliteal artery膝窩動脈 Arteria poplitea】 Artery extending from the end of the adductor canal to its division at the inferior border of the popliteus.
→(膝窩動脈は内転筋管裂孔で大腿動脈よりつづいておこり、膝窩のほぼ中央の深層を下行して、膝窩筋の下縁付近で前および後脛骨動脈に分岐して終わる。)
- 966_04【Vastus medialis muscle内側広筋;脛側広筋 Musculus vastus medialis; Musculus vastus tibialis】 o: Medial lip of linea aspera.
→(内側広筋は粗線内側唇の近位2/3と長および大内転筋停止腱から起こる。近位の線維は斜めに下行し、遠位の線維はほとんど横走する大腿四頭筋の共通停止腱に加えて内側広筋の線維は膝蓋骨内側縁や内側膝蓋支帯へ達する。)
- 966_05【Adductor magnus muscle大内転筋 Musculus adductor magnus】 o: Inferior pubic ramus, ramus of ischium. i: Medial lip of linea aspera and, via a long tendon, the medial epicondyle. Adduction, lateral rotation, and extension at the hip joint. I: Obturator and tibial nerves.
→(大内転筋は内転筋群の中で最強、人体中最大の筋の1つである。他の内転筋の背側、恥骨下枝および隣接する坐骨枝から坐骨結節までを起始とする。他の起始をもつ部分はほとんどが粗線内側唇に筋性停止する。)
- 966_06【Articular branch of posterior branch of obturator nerve関節枝(閉鎖神経の後枝の) Ramus articularis ramus posterioris nervus obturatorii】 Sensory branch that extends into the posterior wall of the knee joint.
→()
- 966_07【Tibial nerve脛骨神経 Nervus tibialis】 Second terminal branch of the sciatic nerve arising from L4-S3. It travels through the popliteal fossa, passes deep to the tendinous arch of the soleus, and accompanies the posterior tibial artery around the medial malleolus to the sole of the foot.
→(脛骨神経はL4~S3より起こる。坐骨神経の第二の終枝。膝窩を通りヒラメ筋腱弓の下をすぎ後脛骨筋とともに内果をまわり、足底へ達す。下腿の屈筋群、足底の諸筋、下腿の後面と足底の皮膚に分布するが、次の神経はいずれも脛骨神経の末梢枝である。①下腿骨間神経(下腿骨間膜の後縁に沿って走り、足関節のあたりに達する)、②内側被覆皮神経、腓腹神経、外側足背神経(ひとつづきのもので下腿後面から足背外側部の皮膚に分布)、③内側足底神経と外側足底神経(ともに足底の諸筋に分布する枝を出したあと、趾の足底面や足底の皮膚に分布するため、総底側趾神経に枝分かれし、固有底側趾神経となっておわる)。)
- 966_08【Semimembranosus muscle半膜様筋 Musculus semimembranosus】 o: Ischial tuberosity. i: Medial condyle of tibia and oblique popliteal ligament. It is partly covered by the semitendinosus muscle. Extension at the hip joint; flexion and medial rotation at the knee joint. Tenses the knee joint capsule. I: Tibial nerve.
→(半膜様筋は大腿二頭筋長頭と大腿方形筋の起始の間の坐骨結節から起こる。脛骨内側顆、膝関節包後壁および膝窩筋の筋膜に停止する。半膜様筋は中4分の2のみが筋性である。起始腱は広い腱性の板をなし、停止腱も同じ平板である。3本の腱様の索として終わる。脛骨への索は腹側で迂回し、内側側副靱帯の下の脛骨内側顆に付く。中央の索は筋の方向を受け継ぎ、一部は脛骨近位端後面に、一部は膝窩筋の筋膜に付く。腓骨への索は膝関節包の後壁を補強し、斜膝窩靱帯として大腿骨外側顆に向かって外側へ射創する滑液包が通常同筋の停止腱と脛骨内側顆の間にある。)
- 966_09【Medial head of gastrocnemius muscle内側頭;脛側頭(腓腹筋の) Caput mediale; Caput tibiale (Musculus gastrocnemius)】 o: Proximal to the medial femoral condyle. i: Achilles tendon.
→(腓腹筋の内側頭は大腿骨内側上顆に起こり、アキレス腱に停止する。)
- 966_10【Lateral head of gastrocnemius muscle外側頭;腓側頭(腓腹筋の) Caput laterale; Caput fibulare (Musculus gastrocnemius)】 o: Proximal to the lateral femoral condyle. i: Achilles tendon.
→(腓腹筋の外側頭は大腿骨外側上顆に起こり、アキレス腱に停止する。)
- 966_11【Popliteus muscle膝窩筋 Musculus popliteus】 o: Lateral femoral epicondyle. i: Posterior surface of tibia. Medial rotation of the leg with flexed knee joint. I: Tibial nerve.
→(膝窩筋は本来は下腿の深屈筋群に属する。哺乳類以外では同筋は脛骨と腓骨をつなぐ。哺乳類では、人でも、膝窩筋は膝関節と密接に関係しながら発達し、屈曲した下腿が内旋するのを助ける。膝窩筋は膝関節外側側副靱帯下方の、大腿骨外側顆外表面から起こる。その停止はヒラメ筋線より近位の、脛骨後面である。膝窩筋は膝窩の底をなし、腓腹筋頭および血管、神経におおわれている。起始腱は、その上を弓状膝窩靱帯が通り、膝窩筋下陥没の上方にある。この陥没は成人では常に膝関節腔と交通している。半膜様筋の一部は膝窩筋の筋膜へ放散する。この筋は脛骨神経の支配を受ける。この筋の収縮により大腿骨に対する脛骨の内旋が得られる。立位で体重を支えている下肢においては、脛骨に対する大腿骨の外旋をもたらす、といってもより、後者の場合は、体重を支えて伸展している膝関節を屈曲し始める膝窩筋作用であり、これよより緊張した膝関節靱帯がゆるめられる(膝関節の固定解除unlocking)。膝窩筋の一部が外側半月に付着している関係上、この筋の収縮は外側半月を膝関節屈曲初期に後方へ引く役割も果たす。)
- 966_12【Soleus muscleヒラメ筋 Musculus soleus】 o: Head of fibula, upper one-third of the posterior surface of tibia, i: Achilles tendon. Plantar flexion and supination.
→(ヒラメ筋の下腿後区浅層の筋の1つ。大半は腓腹筋におおわれ、腓骨頭から腓骨後面、腱性弓(ヒラメ筋腱弓)および脛骨(ヒラメ筋線と内側縁)に起始する。ヒラメ筋腱弓は腓骨から脛骨へ至り、神経血管索をまたぐ。ヒラメ筋はアキレス腱を介して踵骨隆起に停止する。ヒラメ筋の筋腹は腓腹筋の筋腹よりも遠位に伸び、微細な腱様層によっておおわれている。その上を腓腹筋が滑走する。ヒラメ筋は複合羽状筋で、前頭平面に位置する腱様膜によって浅層の筋層に分けることができる。脛骨神経の支配を受ける。この筋は腓腹筋、足底筋とともに距腿関節における足の底屈を生じさせる。すなわち、これらの3筋は歩行、歩行時に、地面を後方に蹴るための力を出すのである。)
- 966_13【Posterior tibial artery後脛骨動脈 Arteria tibialis posterior】 It passes beneath the tendinous arch of soleus under the superficial flexor group and passes from posterior to the medial malleolus.
→(後脛骨動脈は腋窩の近位部で腋窩動脈からつづいてはじまり、ヒラメ筋腱弓の深層を通ってヒラメ筋と後脛骨筋の間を下行し、距腿関節を後面を経て、屈筋下におおわれて内果と踵骨隆起の間を通り、母趾外転筋の深層で内側および外側足底動脈に分かれて終わる。脛骨神経が伴行する。)
- 966_14【Muscular branches of tibial nerve筋枝(脛骨神経の) Rami musculares nervus fibularis profundus; Rami musculares nervus tibialis】 Branches to the gastrocnemius, plantaris, soleus, and deep flexors of the leg.
→(脛骨神経の筋枝は腓腹筋の2頭、足底筋、ヒラメ筋、膝窩筋に侵入する。)
- 966_15【Flexor digitorum longus muscle長趾屈筋;長指屈筋(足の) Musculus flexor digitorum longus】 o: Tibia, i: Distal phalanges of the second through fifth toes. Plantar flexion, supination, flexion of toes. I: Tibial nerve.
→(長趾屈筋はヒラメ筋線より遠位の脛骨後面およびヒラメ筋腱弓の一部から起こる。その停止腱は基節骨の領域で短趾屈筋の腱を貫通し(第2~5)趾の末節骨に停止する。長趾屈筋の腱は腱鞘に包まれて、内果溝を後脛骨筋腱の背外側に走り、屈筋死体の下を載距突起内側縁に沿って足底に至る。舟状骨粗面のレベルでは長母趾屈筋腱の浅層を通る。この際、長母趾屈筋の健束が長趾屈筋の腱に混じる。この腱交叉位遠では足底方形筋が長趾屈筋の腱に付く。この付加的な屈筋は長趾屈筋停止腱の牽引方向を趾放線の長軸方向と関連させる。同一趾へ向かう長趾屈筋(「貫通筋」と短趾屈筋「被貫通筋」)の停止腱は腱鞘(滑液鞘に包まれる。腱鞘は第1中足骨頭の上方から始まり、末節骨までのびている。これらの滑液鞘は線維鞘に包まれる。線維鞘は手指におけると同じように横走線維と交織する線維(輪状および十字部)からなる。)
- 966_16【Tibialis posterior muscle後脛骨筋 Musculus tibialis posterior】 o:Tibia, fibula, interosseous membrane, i: Navicular, cuneiform bones I-III, and metatarsals II-IV. Plantar flexion and supination. I: Tibial nerve.
→(後脛骨筋は骨間膜の広い領域から起こる。狭い辺縁部は腓骨と脛骨の近位部に起こり、浅い線維束は浅深の屈筋間にある結合組織から起こる。後脛骨筋の腱は内果上方で長趾屈筋の腱の下を横切り(下腿腱交叉)、その主束は舟状骨粗面につき、その外側束は(しばしば)すべての遠位足根骨と第2~4中足骨底の足底面に付く。内果溝で後脛骨筋の腱は腱鞘に包まれ、内果下方では屈筋支帯におおわれている。深屈筋群へ脛骨神経の筋枝の中で後脛骨筋への枝はほかの枝よりもずっと近位、ヒラメ筋腱弓のレベルで出る。母趾とそのほかの趾への長屈筋群に対する近位の枝は下腿中位1/3へうつるレベルで脛骨神経から分かれる。脛骨神経からの筋枝は普通下腿遠位1/2からも分かれる。後脛骨筋は脛骨神経の支配を受ける。この筋の収縮により距腿関節における足の底屈、距骨下関節および横足根関節による足の内反が得られる。この筋は内層の縦足弓を維持するうえにも重要である。この筋の収縮が足底で数個の骨を互いに引き寄せるうえに役立つことにも注意すべきである。)
Achilles tendon
- 966_17Achilles tendon【Calcaneal tendon踵骨腱;下腿三頭筋腱;アキレス腱 Tendo calcaneus; Tendo musculus tricipitis surae】 Tendon of the triceps surae that attaches on the calcaneal tuberosity.
→(アキレス腱とも呼ばれる。踵骨腱(下腿三頭筋の停止腱)。ギリシャの英雄アキレスの唯一の弱点が踵にあったことから名づけられた。アキレスとはホーマーの叙事詩イリアドIliadの主人公でギリシャの英雄である。彼が将来トロイとの戦いで戦死するだろうという予言を聞いた母のテーティスThetis(海の女神)は、赤ん坊のアキレスをスティックス河(冥界の川)の聖流に浸して不死身のからだとした。けれどもそのとき母親がアキレスの足首をつかんでいたので、踵の所だけが魔法の水にぬれず、彼の唯一の泣きどころになってしまった。立派に成人したアキレスは、トロイ戦争でギリシャ軍に加わって、数々の武功を立てたが、トロイの応じパリスParisが放った矢がアキレスの踵を射抜き、さすがの彼も倒れたというのである。降って1693年にベルギーの解剖学者P.Verheyenが切断された自分の足を解剖しながら、イリアドの故事を思い起こして、踵骨腱のことを初めてアキレス腱と名付けたといわれる。)
- 966_18【Articular branches of tibial nervus関節枝(脛骨神経の) Rami articulares (Nervus tibialis)】
→()
- 966_19【Medial calcaneal branches of tibial nerve内側踵骨枝(脛骨神経の) Rami calcanei mediales (Nervus tibialis)】 Medial branches to the heel that arise directly from the tibial nerve.
→(脛骨神経の内側踵骨枝は脛骨神経の皮枝で踵部の内側面および下面に分布する。)
- 966_20【Flexor retinaculum of foot屈筋支帯[足の];破裂靱帯 Retinaculum musculorum flexorum pedis; Ligamentum laciniatum】 Multilayered band situated over the long flexor tendons passing from the medial malleolus to the calcaneus. Its superficial portion invests the tibial nerve and posterior tibial artery and veins. Its deep portion forms an osteofascial canal with compartments containing the posterior tibial flexor muscles, flexor digitorum longus, and flexor hallucis longus.
→(足の屈筋支帯は下腿筋膜の厚くなったもので、内果の下部から扇状に広がって、前部は舟状骨に後部は踵骨につき中間部は足底腱膜に移行する。屈筋支帯は後脛骨筋と長趾屈筋の腱を被い、またその間の隔壁を骨に送ったのち、載距突起についてさらに長母指屈筋腱溝を被う深葉と、脛骨神経および後脛骨動静脈を被う浅葉とに分かれる。)
- 966_21【Biceps femoris muscle大腿二頭筋 Musculus biceps femoris】 Two-headed muscle arising from the pelvis and femur, i: Head of fibula. Flexion at the knee joint, lateral rotation.
→(大腿二頭筋は2関節性の長頭と1関節性の短頭から成る。長頭は坐骨結節で半腱様筋と総頭をつくって起こる。短頭は粗線の外側唇の中1/3と外側筋間中隔から起こる。これら両頭は合して2頭筋となり、腓骨頭に終わる。その際この筋と膝関節の外側側副靱帯との間に大腿二頭筋の下腱下包がある。股関節では長頭は大腿を後斜するように働く。膝関節では大腿二頭筋は屈曲するように働き、屈曲した状態では下腿を外旋する。この筋は膝関節における唯一の外旋筋であって、すべての内旋筋に匹敵する作用をもっている。)
- 966_22【Medial sural cutaneous nerve内側腓腹皮神経 Nervus cutaneus surae medialis】 Nerve given off by the tibial nerve in the popliteal fossa that descends subfascially lateral to the small saphenous vein and joins the sural communicating branch to form the sural nerve.
→(脛骨神経より起こり、膝窩へ入り、小伏在静脈の外側で筋膜下を下行する。腓腹神経との交通枝と合し、腓腹神経となる。 (Feneis))
- 966_23【Common fibular nerve; Common peroneal nerve総腓骨神経 Nervus fibularis communis; Nervus peroneus communis】 Branch of the sciatic nerve arising from L4-S2. It accompanies the tendon of the biceps femoris to posterior to the head of fibula and then crosses obliquely forward between the skin and the fibula.
→(総腓骨神経はL4~S2より起こる。坐骨神経の2終枝のうちの細い方である。大腿の下1/3の高さから始まり、膝窩内を下腿への皮神経を出しながら、大腿二頭筋の停止腱の後内側縁に沿って腓骨頭の後面に達し、ここで下腿筋の下層にもぐり込む。腓腹筋外側頭よりも浅層でこれを横切り、膝窩を離れる。以上の経過中に総腓骨神経は腓骨頚外側面で皮膚のみに被われた状態となるため、体表よりこの神経を容易に触知できる。そののち総腓骨神経は腓骨頭の後方をやや下行してから急に向きを変えて長腓骨筋内に侵入し、そこで浅腓骨神経および深腓骨神経に分かれる。)
- 966_24【Articular branch of sciatic nerve関節枝(坐骨神経の) Ramus articularis (Nerve ischiadicus)】
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- 966_25【Lateral sural cutaneous nerve外側腓腹皮神経;腓側腓腹皮神経 Nervus cutaneus surae lateralis; Nervus cutaneus surae fibularis】 Nerve given off in the popliteal fossa that supplies the skin of the lateral side of the leg as well as the upper two-thirds of its posterior side.
→(外側腓腹皮神経は膝窩よりあらわれ、たいていは下腿の後外側面の上2/3の皮膚へ分布する。)
- 966_26【Muscular branches of sciatic nerve筋枝(坐骨神経の) Rami musculares (Nerve ischiadicus)】
→(梨状筋、内閉鎖筋、双子筋および大腿方形筋に分布する。)
- 966_27【Plantaris muscle足底筋 Musculus plantaris; Musculus plantaris longus】 o: Above the lateral femoral condyle. i: Achilles tendon or calcaneus tuberosity. I: Tibial nerve.
→(足底筋は腓腹筋とヒラメ筋の間にあり、結合組織に囲まれている筋。腓腹筋外側頭の内側、大腿骨外側顆の外側上顆稜から起こる。細い筋腹から細く長い停止腱が腓腹筋とヒラメ筋の間を走り、(アキレス腱を介して)踵骨隆起へ至る。同筋はときどき下腿筋膜に、あるいはまれには足底腱膜に続く。足底筋は下等霊長類にみられる足底腱膜へ続く筋の、系統発生的な、遺残筋である。人ではときどき欠如したり腓腹筋外側頭と癒合したりする。足底筋は腓腹筋とヒラメ筋の間にあって、結合組織に包まれている。その結合組織は後脛骨動静脈の血管鞘と連絡している。同筋はヒラメ筋腱弓よりも上ではこれらの血管を守るようにその上を走る。この筋は脛骨神経支配を受け、距腿関節による足の底屈、膝関節の屈曲を助けるが、その力は弱い。膝関節屈曲中に足底筋は神経血管索を引き上げ、弓状走行をとらせ、血管が折れ曲がるのを防ぐ役割をする。)
- 966_28【Head of fibula腓骨頭;腓骨小頭 Caput fibulae; Capitulum fibulae】 Proximal end of the fibula.
→(腓骨の上端の膨らみは腓骨頭と呼ばる。腓骨頭の前面から長趾伸筋、長腓骨筋、後面からヒラメ筋の一部が起こり、外側面に大腿二頭筋が付着く。)
- 966_29【Interosseous nerve of leg; Crural interosseous nerve下腿骨間神経 Nervus interosseus cruris】 Nerve accompanying the anterior tibial artery that contains fibers for the tibia and tibiofibular joint.
→(前脛骨動脈に伴行し、骨および脛腓関節へいたる線維を有す。 (Feneis))
- 966_30【Fibular artery; Peroneal artery腓骨動脈 Arteria fibularis; Arteria peronea】 Artery that extends to the calcaneus and is covered for most of its length by the flexor hallucis longus.
→(腓骨動脈は個体発生的には下臀動脈(坐骨神経伴行動脈)からつづいた下肢の動脈の本幹で、前および後脛骨動脈はその分子にすぎない。したがって腓骨動脈の欠損例はない。膝窩筋の下縁の下方で後脛骨小津脈より分岐して、腓骨の内側縁に沿って後脛骨筋と長母趾屈筋の筋注を下行、脛腓靱帯結合うしろで踵骨枝を分岐して終わる。この動脈はしばしば強大化して、後脛骨動脈の欠損を代償したり(約5%)、また貫通枝によって足背動脈の主流となったりする(約7%)。この枝に貫通枝、交通枝、外果枝、踵骨枝がある。)
- 966_31【Flexor hallucis longus muscle長母趾屈筋;長母指屈筋(足の) Musculus flexor hallucis longus】 o: Fibula, i: Distal phalanx of great toe. Plantar flexion, supination, flexion of great toe. I: Tibial nerve.
→(長母趾屈筋はずっと内側に(おもな腱は第1末節骨底に)停止する。その起始は下腿の外側、つまり腓骨後面の遠位2/3,骨間膜の狭い紐状部分および後筋間中隔である。その腱は長趾屈筋腱の下を横切り(足底腱交叉)、足底で第2および第3(まれに第4)趾末節骨に腱性停止を送る。距骨後面と載距突起下面において長母趾屈筋の腱は溝の中を走る。同筋は腱鞘に包まれる。腱鞘は内果先端のレベルにはじまり、遠位へ伸び、第1中足骨底に至る。停止腱は第1中足骨頭から末節骨に至るまで腱鞘に包まれている。腱鞘は線維性のおおいによって母趾の各分節に付く。)
- 966_32【Fibularis longus muscle; Peroneus longus muscle長腓骨筋 Musculus fibularis longus; Musculus peroneus longus】 o: Fibula and deep fascia of leg. i: Passes obliquely under the sole of the foot to insert on the medial cuneiform and first metatarsal. Pronation and plantar flexion. I: Superior fibular nerve.
→(長腓骨筋は羽状筋で、腓骨筋を容れる部を形成する壁(腓骨、筋間中隔、下腿筋膜)の近位部から起こり、第1中足骨粗面及び第2楔状骨に停止する。その腱は短腓骨筋のの筋膜と腱の上を遠位に走る。外果の後ろで長および短の腓骨筋は総腱鞘に包まれる。総腱鞘は上腓骨筋支帯によって外果に固定される。踵骨外側面で腱鞘は分かれ、短腓骨筋の腱は腓骨筋滑車の上を第5中足骨へと走る。また、長腓骨筋の腱は腓骨筋滑車のうしろを通って足の外側縁にある方向転換点へ進む。両腱は下腓骨筋支帯でしっかりと支持されている。長腓骨筋の腱は線維軟骨でおおわれた立方骨粗面上を滑走し、腱鞘に包まれて、長足底靱帯でおおわれた溝の中を通って足底を横切り、第1(2)中足骨と第二楔状骨へいたる。)
- 966_33【Sural nerve腓腹神経 Nervus suralis】 Continuation of the medial sural cutaneous nerve after it joins the sural communicating branch.
→(腓腹神経は脛骨神経の皮枝で腓腹筋の2頭のあいだを下行するが、その途中で総腓骨神経からの交通枝を受けるのがふつうである。腓腹神経からの小枝が下腿後面の皮膚に分布する。外顆より遠位では腓腹神経は小伏在静脈と伴行しながら、足の外側縁から小指外側縁に至る皮膚に枝を起こる。 (Netter)腓腹神経は皮神経であり、膝窩の中部あるいは下部で脛骨神経より起こる(図13)。腓腹筋の両頭の間を下行しながら、腓腹神経は下腿筋膜を貫通して小さな内側腓腹皮神経(内側腓腹皮神経は下腿筋膜貫通して小さな内側腓腹皮神経(内側腓腹皮神経はもっとも大きく、脛骨神経より直接起こることもある)を出し、外側腓腹皮神経から腓腹神経との交通枝を受ける。腓腹神経は、小伏在静脈近傍を通ってアキレス腱の外側へと下行を続けながら、下腿背側面および外側面を覆う皮膚と筋膜に枝を与える。外果と踵骨腱(アキレス腱)の間に達すると腓腹神経は外側踵骨枝を出し、足根と踵の外側面の皮膚と筋膜枝を出す(これに対応する内側踵骨枝は脛骨神経から起こる)。腓腹神経の終末枝は、外側足背皮神経として足および小趾の外側に沿って前方へ走る。)
- 966_34【Lateral calcaneal branches of sural nerve外側踵骨枝;腓側踵骨枝(腓腹神経の) Rami calcanei laterales (Nervus suralis)】 Lateral branches to the heel.
→(腓腹神経の外側踵骨枝は踵骨へ向かう腓腹神経の外側枝である。)