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- 250_00【Crural bones; Bones of the leg下腿骨;下腿の骨 Ossa cruris】
→(下腿骨は脛骨と腓骨との2個である。)
- 250_01【Tibialis posterior muscle後脛骨筋 Musculus tibialis posterior】 o:Tibia, fibula, interosseous membrane, i: Navicular, cuneiform bones I-III, and metatarsals II-IV. Plantar flexion and supination. I: Tibial nerve.
→(後脛骨筋は骨間膜の広い領域から起こる。狭い辺縁部は腓骨と脛骨の近位部に起こり、浅い線維束は浅深の屈筋間にある結合組織から起こる。後脛骨筋の腱は内果上方で長趾屈筋の腱の下を横切り(下腿腱交叉)、その主束は舟状骨粗面につき、その外側束は(しばしば)すべての遠位足根骨と第2~4中足骨底の足底面に付く。内果溝で後脛骨筋の腱は腱鞘に包まれ、内果下方では屈筋支帯におおわれている。深屈筋群へ脛骨神経の筋枝の中で後脛骨筋への枝はほかの枝よりもずっと近位、ヒラメ筋腱弓のレベルで出る。母趾とそのほかの趾への長屈筋群に対する近位の枝は下腿中位1/3へうつるレベルで脛骨神経から分かれる。脛骨神経からの筋枝は普通下腿遠位1/2からも分かれる。後脛骨筋は脛骨神経の支配を受ける。この筋の収縮により距腿関節における足の底屈、距骨下関節および横足根関節による足の内反が得られる。この筋は内層の縦足弓を維持するうえにも重要である。この筋の収縮が足底で数個の骨を互いに引き寄せるうえに役立つことにも注意すべきである。)
- 250_02【Flexor digitorum longus muscle長趾屈筋;長指屈筋(足の) Musculus flexor digitorum longus】 o: Tibia, i: Distal phalanges of the second through fifth toes. Plantar flexion, supination, flexion of toes. I: Tibial nerve.
→(長趾屈筋はヒラメ筋線より遠位の脛骨後面およびヒラメ筋腱弓の一部から起こる。その停止腱は基節骨の領域で短趾屈筋の腱を貫通し(第2~5)趾の末節骨に停止する。長趾屈筋の腱は腱鞘に包まれて、内果溝を後脛骨筋腱の背外側に走り、屈筋死体の下を載距突起内側縁に沿って足底に至る。舟状骨粗面のレベルでは長母趾屈筋腱の浅層を通る。この際、長母趾屈筋の健束が長趾屈筋の腱に混じる。この腱交叉位遠では足底方形筋が長趾屈筋の腱に付く。この付加的な屈筋は長趾屈筋停止腱の牽引方向を趾放線の長軸方向と関連させる。同一趾へ向かう長趾屈筋(「貫通筋」と短趾屈筋「被貫通筋」)の停止腱は腱鞘(滑液鞘に包まれる。腱鞘は第1中足骨頭の上方から始まり、末節骨までのびている。これらの滑液鞘は線維鞘に包まれる。線維鞘は手指におけると同じように横走線維と交織する線維(輪状および十字部)からなる。)
- 250_03【Flexor hallucis longus muscle長母趾屈筋;長母指屈筋(足の) Musculus flexor hallucis longus】 o: Fibula, i: Distal phalanx of great toe. Plantar flexion, supination, flexion of great toe. I: Tibial nerve.
→(長母趾屈筋はずっと内側に(おもな腱は第1末節骨底に)停止する。その起始は下腿の外側、つまり腓骨後面の遠位2/3,骨間膜の狭い紐状部分および後筋間中隔である。その腱は長趾屈筋腱の下を横切り(足底腱交叉)、足底で第2および第3(まれに第4)趾末節骨に腱性停止を送る。距骨後面と載距突起下面において長母趾屈筋の腱は溝の中を走る。同筋は腱鞘に包まれる。腱鞘は内果先端のレベルにはじまり、遠位へ伸び、第1中足骨底に至る。停止腱は第1中足骨頭から末節骨に至るまで腱鞘に包まれている。腱鞘は線維性のおおいによって母趾の各分節に付く。)
- 250_04【Semimembranosus muscle半膜様筋 Musculus semimembranosus】 o: Ischial tuberosity. i: Medial condyle of tibia and oblique popliteal ligament. It is partly covered by the semitendinosus muscle. Extension at the hip joint; flexion and medial rotation at the knee joint. Tenses the knee joint capsule. I: Tibial nerve.
→(半膜様筋は大腿二頭筋長頭と大腿方形筋の起始の間の坐骨結節から起こる。脛骨内側顆、膝関節包後壁および膝窩筋の筋膜に停止する。半膜様筋は中4分の2のみが筋性である。起始腱は広い腱性の板をなし、停止腱も同じ平板である。3本の腱様の索として終わる。脛骨への索は腹側で迂回し、内側側副靱帯の下の脛骨内側顆に付く。中央の索は筋の方向を受け継ぎ、一部は脛骨近位端後面に、一部は膝窩筋の筋膜に付く。腓骨への索は膝関節包の後壁を補強し、斜膝窩靱帯として大腿骨外側顆に向かって外側へ射創する滑液包が通常同筋の停止腱と脛骨内側顆の間にある。)
- 250_05【Popliteus muscle膝窩筋 Musculus popliteus】 o: Lateral femoral epicondyle. i: Posterior surface of tibia. Medial rotation of the leg with flexed knee joint. I: Tibial nerve.
→(膝窩筋は本来は下腿の深屈筋群に属する。哺乳類以外では同筋は脛骨と腓骨をつなぐ。哺乳類では、人でも、膝窩筋は膝関節と密接に関係しながら発達し、屈曲した下腿が内旋するのを助ける。膝窩筋は膝関節外側側副靱帯下方の、大腿骨外側顆外表面から起こる。その停止はヒラメ筋線より近位の、脛骨後面である。膝窩筋は膝窩の底をなし、腓腹筋頭および血管、神経におおわれている。起始腱は、その上を弓状膝窩靱帯が通り、膝窩筋下陥没の上方にある。この陥没は成人では常に膝関節腔と交通している。半膜様筋の一部は膝窩筋の筋膜へ放散する。この筋は脛骨神経の支配を受ける。この筋の収縮により大腿骨に対する脛骨の内旋が得られる。立位で体重を支えている下肢においては、脛骨に対する大腿骨の外旋をもたらす、といってもより、後者の場合は、体重を支えて伸展している膝関節を屈曲し始める膝窩筋作用であり、これよより緊張した膝関節靱帯がゆるめられる(膝関節の固定解除unlocking)。膝窩筋の一部が外側半月に付着している関係上、この筋の収縮は外側半月を膝関節屈曲初期に後方へ引く役割も果たす。)
- 250_06【Biceps femoris muscle大腿二頭筋 Musculus biceps femoris】 Two-headed muscle arising from the pelvis and femur, i: Head of fibula. Flexion at the knee joint, lateral rotation.
→(大腿二頭筋は2関節性の長頭と1関節性の短頭から成る。長頭は坐骨結節で半腱様筋と総頭をつくって起こる。短頭は粗線の外側唇の中1/3と外側筋間中隔から起こる。これら両頭は合して2頭筋となり、腓骨頭に終わる。その際この筋と膝関節の外側側副靱帯との間に大腿二頭筋の下腱下包がある。股関節では長頭は大腿を後斜するように働く。膝関節では大腿二頭筋は屈曲するように働き、屈曲した状態では下腿を外旋する。この筋は膝関節における唯一の外旋筋であって、すべての内旋筋に匹敵する作用をもっている。)
- 250_07【Soleus muscleヒラメ筋 Musculus soleus】 o: Head of fibula, upper one-third of the posterior surface of tibia, i: Achilles tendon. Plantar flexion and supination.
→(ヒラメ筋の下腿後区浅層の筋の1つ。大半は腓腹筋におおわれ、腓骨頭から腓骨後面、腱性弓(ヒラメ筋腱弓)および脛骨(ヒラメ筋線と内側縁)に起始する。ヒラメ筋腱弓は腓骨から脛骨へ至り、神経血管索をまたぐ。ヒラメ筋はアキレス腱を介して踵骨隆起に停止する。ヒラメ筋の筋腹は腓腹筋の筋腹よりも遠位に伸び、微細な腱様層によっておおわれている。その上を腓腹筋が滑走する。ヒラメ筋は複合羽状筋で、前頭平面に位置する腱様膜によって浅層の筋層に分けることができる。脛骨神経の支配を受ける。この筋は腓腹筋、足底筋とともに距腿関節における足の底屈を生じさせる。すなわち、これらの3筋は歩行、歩行時に、地面を後方に蹴るための力を出すのである。)
- 250_08【Fibularis longus muscle; Peroneus longus muscle長腓骨筋 Musculus fibularis longus; Musculus peroneus longus】 o: Fibula and deep fascia of leg. i: Passes obliquely under the sole of the foot to insert on the medial cuneiform and first metatarsal. Pronation and plantar flexion. I: Superior fibular nerve.
→(長腓骨筋は羽状筋で、腓骨筋を容れる部を形成する壁(腓骨、筋間中隔、下腿筋膜)の近位部から起こり、第1中足骨粗面及び第2楔状骨に停止する。その腱は短腓骨筋のの筋膜と腱の上を遠位に走る。外果の後ろで長および短の腓骨筋は総腱鞘に包まれる。総腱鞘は上腓骨筋支帯によって外果に固定される。踵骨外側面で腱鞘は分かれ、短腓骨筋の腱は腓骨筋滑車の上を第5中足骨へと走る。また、長腓骨筋の腱は腓骨筋滑車のうしろを通って足の外側縁にある方向転換点へ進む。両腱は下腓骨筋支帯でしっかりと支持されている。長腓骨筋の腱は線維軟骨でおおわれた立方骨粗面上を滑走し、腱鞘に包まれて、長足底靱帯でおおわれた溝の中を通って足底を横切り、第1(2)中足骨と第二楔状骨へいたる。)
- 250_09【Fibularis brevis muscle; Peroneus brevis muscle短腓骨筋 Musculus fibularis brevis; Musculus peroneus brevis】 o: Distal two-thirds of fibula, i: Tuberosity of fifth metatarsal bone. Pronation and plantar flexion. I: Superior fibular nerve.
→(短腓骨筋は腓骨遠位1/2と両方の筋間中隔から起こり、長腓骨筋とともに外果のうしろを通って第5中足骨粗面に付着する。長深伸筋群の系統発生上の名残は下等哺乳類によく発達しており、弱い停止腱が第5趾の足背筋膜へ伸びている。)