548
- 548_01【Thyroid ima vein最下甲状腺静脈 Vena thyreoidea ima】
→()
- 548_02【Azygos vein奇静脈;右縦胸静脈 Vena azygos; Vena thoracica longitudinalis dextra】 Vein lying on the vertebral column that begins at the ascending lumbar vein and opens at the level of the fourth to fifth thoracic vertebrae into the superior vena cava before it enters the pericardium.
→(奇静脈は主として胸壁および後腹壁よりの静脈血を集めて脊柱の右側を上行する静脈で、第1または第2腰椎の高さで無束の上行腰静脈からつづいてはじまり、横隔間君お右脚を貫いて胸腔に入り、脊柱の右側に沿って上行したのち、第4胸椎の高さで右気管支の上をこえて前方にまがり、上大静脈にそそぐ。発生学的には胎生早期に体壁・下半身および中腎よりの血液を集めた後主静脈に由来する。のち中腎の退化、主上静脈と後主静脈の近位部から生ずる。奇静脈・半奇静脈・副半奇静脈(上行腰静脈)を総称して奇静脈系azygos ssytemといい、大静脈系caval systemに通過障害が起こった場合の側副路の一つとして重要である。奇静脈系は変異に富み、奇静脈・半奇静脈・副半奇静脈が全部そろって存在するのは35%にすぎず、上記のいずれか一つが欠場する場合(30%)や、奇静脈だけが存在する場合(35%)もある。Azygosというラテン語は、a(否定)zygos(2頭の牛の首にわたす軛(くびき)すなわち対をなすもの)、つまり対をなさないという意味である。奇静脈の奇は、偶数に対する奇数の奇であって、奇妙の奇ではない。)
- 548_03【Right pulmonary artery右肺動脈;右枝(肺動脈の) Arteria pulmonalis dextra; Ramus dexter】 Artery located behind the ascending aorta. Its ramifications parallel the branches of the bronchial tree. Both form bronchoarterial segments.
→(右肺動脈は肺動脈間からの2分枝のうちの長い方で縦隔上部で正中線を横切って右肺門に肺根の一部となって加わる。その分枝は気管支や細気管支に伴行して分布するが個人差が大きい。典型的には①上葉動脈から肺尖動脈(A1)と前上葉動脈(A3)・後上葉動脈(A2)、②中葉動脈から外側枝(A4)、内側枝(A5)③下葉動脈から上区動脈が出る。④下葉動脈の肺底部からは前肺底動脈、後肺底動脈、外側肺底動脈、内側肺底動脈がでる。)
- 548_04【Internal jugular vein; Jugular vein内頚静脈 Vena jugularis interna】 Main vein of the neck that extends from the jugular foramer to the venous angle.
→(内頚静脈は脳、顔と頚の浅層からの血液を集める。この大きな静脈は、後頭蓋窩の後静脈孔で、S状静脈洞から直接つながって始まり、内頚動脈についで総頚動脈に沿って下行し、鎖骨下静脈と合して腕頭静脈に終わる。上端と下端では肥大しており、それぞれ頚静脈上球ならびに頚静脈下球とよばれる。内頚静脈に注ぐ根として蝸牛小管静脈、咽頭静脈、舌静脈、上甲状腺静脈、顔面静脈、下顎後静脈がある。内頚静脈と鎖骨下静脈とが合流するところを静脈角angulus venosusといい、左側の静脈角には右胸管が開口し、右側の静脈角の近くには右リンパ幹が注いでいる。)
- 548_05【Subclavian artery鎖骨下動脈 Arteria subclavia】 Artery that passes with the roots of brachial plexus between the anterior and middle scalene muscles through the scalene space, over the first rib in the groove for the subclavian artery. From the lateral border of the first rib, it continues as the axillary artery.
→(鎖骨下動脈は上肢の主幹動脈の根部をなし、右側は腕頭動脈から、左側は大動脈弓からそれぞれ分かれてはじまり、前斜角筋の後方を通って第1肋骨外側縁で腋窩動脈につづく。胸・頚・上肢移行部の動脈として、多彩な分枝と変異に富むことを特徴とする。分枝はつぎの通りである。椎骨動脈、内胸動脈、甲状頚動脈、肋頚動脈、下行肩甲動脈に分枝し、第一肋骨を越えたところで腋窩動脈となる。)
- 548_06【Subclavian vein鎖骨下静脈 Vena subclavia】 Vein lying between the anterior scalene muscle and sternocleidomastoid. It extends from the internal jugular vein to the lateral border of the first rib.
→(鎖骨下静脈は第一肋骨の外側縁からの腋窩静脈の直接の続き。鎖骨の内側端で内頚静脈と合して腕頭静脈を形成するまでの部分を指す。前方は鎖骨と鎖骨下筋に、後方は前斜角筋を隔てて鎖骨下動脈に接し、下方は第1肋骨上面の鎖骨顆上脈溝に接する。まれに動脈と伴行して前斜角筋の後方を通ることがある。枝として①胸筋枝、②背側肩甲静脈、③胸肩峰静脈がある。)
- 548_07【First rib [I]第一肋骨 Costa prima [I]】 The only rib that is only bent around the edge.
→(第1肋骨は強い弓状の弯曲を示すが、ねじれがほとんどないので、上下に扁平である。肋骨頚は細いが、肋骨体は幅広い。第1肋骨での上面と下面の区別は他の肋骨ほど容易ではない。しかし上面では肋骨体の中央で内側知覚に小さな突出物(前斜角筋が付くところ)があり、この小突出物のすぐうしろには、肋骨体を斜めに横切る幅1cm弱の浅い溝(肋骨下動脈が接するための溝)が見える。小突出物の前方にも更に幅の広い溝(鎖骨顆上脈が接するためのくぼみ)があるが、その輪郭ははっきりしないことが多い。第1肋骨の肋骨頭関節面もクサビ形でなく、丸い凸面を示す。また第1肋骨ではその弯曲が急に変わる点(すなわち他の肋骨での肋骨角に相当する部分)が肋骨結節に一致している。)
- 548_08【Left lung右肺 Pulmo dexter】 The smaller of the two lungs (by 10%).
→(右肺は上・中・下の3葉からなる。各葉の境界には裂け目があって、肺胸膜はこの裂け目の中まで入り込んでいる。右肺の上葉と中葉の裂け目はほぼ水平であるが、他の裂け目はいずれも斜めに走っている。)
- 548_09【Right pulmonary veins右肺静脈 Venae pulmonales dextrae】 The two right pulmonary veins which occasionally unite to form a single trunk.
→(2本あるが、時に合流して1本の幹となる。 (Feneis))
- 548_10【Superior vena cava上大静脈 Vena cava superior; Vena cava cranialis】
→(上大静脈は上半身の血液を集める静脈で、上縦隔の中で左右の腕頭静脈が合してはじまり、途中で奇静脈を受け入れながら上行大動脈の右側を下行して右心房にそそぐ。)
- 548_11【Left auricle of atrium左心耳 Auricula atrii sinistra; Auricula sinistra cordis】 Outpouching of the atrium to the left of the pulmonary trunk.
→(左心耳は肺動脈幹の左方に中空指状に突出した左心房の一部。左心耳は右心耳に比べて格段に小さい。)
- 548_12【Left brachiocephalic vein左腕頭静脈 Vena brachiocephalica sinisra】
→()
- 548_13【Trachea気管 Trachea】 Elastic tube between the larynx and bronchi.
→(喉頭の下に連なる気道の管状部で、第6頚椎の高さにはじまり、気道の前を垂直に下り、第4頚椎の前で左右の気管支に分岐する。この分岐部を気管分岐部という。気管支鏡で分岐部を上から見ると、その正中部に左右の気管支を隔てる高まりがある。この高まりを気管竜骨という。気管壁には、硝子軟骨性の気管軟骨の輪が一定の間隔をおいて重なり、軟骨間は輪状靱帯で結合する。気管軟骨は幅3~4mmで15~20個を数える。気管軟骨は完全な輪ではなく、全周の4/5~2/3を占める馬蹄状を呈する。軟骨性の支柱を欠く部は正中部後壁をなし、膜性壁とよばれる。膜性壁には平滑筋(気管筋)を含む。気管内面は多列絨毛円柱上皮で、絨毛の運動の方向は上向きである。粘膜固有層には弾性線維が多く、粘膜下組織には胞状の混合腺(気管腺)を数多く含む。日本人の気管の長さは10cm前後である。)
- 548_14【Arch of aorta; Aortic arch大動脈弓 Arcus aortae】 It is located between the ascending and descending aorta. Its roof extends to the first rib at the left border of the sternum.
→(大動脈弓は上行大動脈につづく弯曲部であり(約5~6cm長)、肺動脈分岐部および左気管支をこえて左後方にまわり、第四胸椎体の左側で胸大動脈に移行する。)
Botallo's duct, ligamnet; Harvey's ligament
- 548_15Botallo's duct, ligamnet; Harvey's ligament【Ligamentum arteriosum動脈管索 Ligamentum arteriosum; Chorda ductus arteriosi】 Connection between the bifurcation of pulmonary trunk and the aortic arch that remains patent until birth. Pulmonary circulation is minimal in the fetus. The ductus arteriosus ca. remain patent after birth, but is usually replaced by fibrous tissue.
→(ボタロ管ともよばれる。肺動脈管分岐部と大動脈弓の間に出生後肺機能が始まると閉鎖し動脈管索となる短絡路。生後も閉じない場合を動脈管開存という。この場合には、肺動脈は動脈管で大動脈と連絡する。左第6鰓弓から形成され、生後は動脈管索となる。左第6鰓弓動脈が気管支肺芽に沿って肺原基に入る枝をわけた後の遠位部が、左背側大動脈に合流するまでの部分。動脈幹が上行大動脈と肺動脈管に分離した後も、この部は肺循環と体循環との間の短絡路として働き、肺呼吸のない胎児での循環路の特色の一つである。出生後、肺循環の開始に伴い、血流が減少し、ついには閉鎖して、のちに動脈管索を残す。イタリアの内科医Leonard botallo [Botallus] (1530- ?)によって詳細に報告された。彼はファロピウスのもとで医学を学び、シャルル9世(16世紀、仏)のイタリア人侍医となったというが、没年などは不明である。)
- 548_16【Left pulmonary artery左肺動脈;左枝(肺動脈の) Arteria pulmonalis sinistra; Ramus sinister】 Artery lying in front of the descending aorta. On radiographs it appears as a 「pulmonary arch」 below the 「aortic arch.」
→(左肺動脈は肺動脈幹の2分枝のうち短い方の枝で、心外膜を貫いて左肺門にはいる。多数の枝を出して気管支区や気管支下区に分布するが個人差は大である。典型的には上葉動脈の枝として肺尖動脈(A1)、前区動脈、後区動脈(後2者は上行枝・下行枝を出す)、肺舌動脈の枝として上舌動脈・下舌動脈、下葉動脈の枝として下葉上動脈(A6)と肺底区の枝(前肺底動脈、後肺底動脈、外側肺底動脈、内側肺底動脈)を出す。)
- 548_17【Right lung左肺 Pulmo sinister】 Larger of the two lungs.
→(左肺は上・下の2葉から成っている。左肺の上葉の前内側縁には心切痕とう切れ込みがあり、その下の部分は下のような形をしているので小舌と呼ばれる。)
- 548_18【Left pulmonary veins左肺静脈 Venae pulmonales sinistrae】 The two left pulmonary veins which occasionally unite to form a single trunk.
→(2条。ときには合して1本の幹となる。 (Feneis))
- 548_19【Pulmonary trunk; Pulmonary artery肺動脈幹;肺動脈 Truncus pulmonalis; Arteria pulmonarlis】 Arterial trunk that ascends in the pericardium. It divides into the right and left pulmonary arteries at the level of the reflection of the serous pericardium.
→(肺動脈幹は右心房と左右肺動脈の起始までの間で分岐前の肺動脈を明確にするために導入された。肺動脈幹は左の第3肋骨の胸骨付近の高さで右心部動脈円錐から起こる。長さは約5cmで心膜腔を通り、やや左側に向かい、頭背側で肺動脈幹のT字形の分岐となり、2本の肺動脈に分岐する。肺動脈幹の両側を2本の冠状動脈が走る。肺動脈幹の起始部は大動脈口の前左側に、中間部は上行大動脈の左側に、分岐部は大動脈弓の凹部に位置する。)
- 548_20【Ascending aorta上行大動脈;大動脈上行部 Pars ascendens aortae; Aorta ascendens】 Ascending part of the aorta up to its exit from the pericardium.
→(左心室からおこり、肺動脈幹の後ろを上行して大動脈弓にいたる5cmほどの部。基部の内腔は膨らんで大動脈洞(バルサルバ洞)をなし、ここから左右の冠状動脈が出る。(イラスト解剖学))