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- 517_01【Anular part of fibrous sheaths; Anular ligaments of toes輪状部[趾の線維鞘の] Pars anularis vaginae fibrosae digitorium pedis; Fibrae anulares】 Ringlike bands of fibrous tissue between the joints.
→(趾の線維鞘には横走する線維、その近位部には斜走ないし交叉する線維がやや目立ち、これをそれぞれ輪状部および十字部という。)
- 517_02【Cruciform part of fibrous sheaths; Cruciform ligament of toes十字部[趾の線維鞘の];十字靱帯(趾の) Pars cruciformis vaginae fibrosae digitorum pedis; Ligamenta cruciformia digitorum pedis】 Bands of fibrous tissue that cross each other over the joints.
→(趾の線維鞘には横走する線維、その近位部には斜走ないし交叉する線維鞘がやや目立ち、これをそれぞれ輪状部および十字部という。)
- 517_03【Lumbrical muscles of foot虫様筋[足の] Musculi lumbricales pedis】 o: Tendons of flexor digitorum longus. i: Bases of proximal phalanges of second through fifth toes. Flexion at metatarsophalangeal joint, movement of toes toward great toe. I: Medial and lateral plantar nerves.
→(4つの虫様筋はは長趾屈筋の腱から起こり、第2~5趾基節骨内側縁へ至る。第1虫様筋は第2趾へ至る腱の内側縁で一頭をもって起こる。第2~4虫様筋は羽状筋で、長趾屈筋腱対向面から起こる。虫様筋は深横中足靱帯の底側を走り、両者の間は小さな滑液包によって隔てられている。4個の虫様筋のうちで最内側の第1虫様筋は内側足底神経より支配を受ける。残りの第2~4虫様筋は外側足底神経からの深枝による支配を受ける。虫様筋の収縮は第2~5趾の趾節間関節が長趾屈筋により屈曲するとき趾が曲げられるのを防ぐ意義がある。)
- 517_04【Flexor digiti minimi brevis muscle of foot短小趾屈筋;短小指屈筋(足の) Musculus flexor digiti minimi brevis pedis】 o: Base of fifth metatarsal and long plantar ligament, i: Proximal phalanx of little toe. Flexion and abduction of little toe. 1: Lateral plantar nerve.
→(短小趾屈筋と小趾対立筋は第5中足骨底、長足底靱帯および長腓骨筋腱鞘から共通腱をもって起こる。小趾の短屈筋は第5趾の基節骨底に、小趾の対立筋は第5中足骨外側面に停止する。人では対立筋は短小趾屈筋の弱い分束としてしか出現せず、その停止部でしか同定できない。外側足底神経の浅枝による支配を受け、中足趾節関節で第5趾を屈曲させる作用を示す。)
- 517_05【Tuberosity of fifth metatarsal bone [V]第5中足骨粗面 Tuberositas ossis metatarsi quinti [V]】 Bony protuberance on the lateral aspect of the base of the fifth metatarsal. Attachment site of the fibularis brevis muscle.
→(第5中足骨底の外側には第5中足骨粗面(短腓骨筋の着くところ)があり、体表から骨の突起として触れる。これが独立した小骨(Vesaliusの骨)となることがある。)
- 517_06【Plantar aponeurosis足底腱膜 Aponeurosis plantaris】 Strong, thickened, tendinous fascial sheet on the sole of the foot. It is spread between the calcaneal tuberosity and the plantar ligaments of the metatarsophalangeal joints. It supports the longitudinal arch of the foot.
→(足底の皮下にあって、踵骨から足指に向かって扇形にほろがる強い腱膜で、主として縦走線維よりなるが、一部には表層の皮膚に向かって垂直方向に走る短くて強い線維がある。踵骨に近い部分では厚いが、次第に薄くなってほぼ中足骨底の位置で5束に分かれて各趾に放散する。5束に分かれた各線維束は、中足趾節関節のあたりで浅層と深層に分かれ、前者はそのまま前進して各趾の皮膚へつき、後者はさらに二分して、その間に趾屈筋の腱を挟んでその腱鞘へ付着する。各趾に放散した各束の間からは、趾神経・趾動脈および虫様筋が表層にあらわれる。また足底腱膜が5束に分岐する地点では、横走する線維が発達して、各趾に放散する各束を互いに結合している。これを横束という。また足底腱膜の両側縁よりは、足底深部に向かって内側および外側の筋間中隔を送り、これらは近位で著明で、母趾球筋(母趾内転筋を除く)、小趾球筋中足筋群より隔てている。なお足底腱膜の定義をより広く解釈して、上述の最もよく発達した部分をその中央部とみなし、これにさらに母趾球筋と小趾球筋をおおう部分をそれぞれ足底腱膜の内側部、外側部とよんで区別することがある。このとき、その内側部の腱膜は母趾外転筋をおおい、屈筋支帯からつづく。また外側部の腱膜は小趾外転筋を包んで、ここに踵骨隆起と第5中足骨底との間で強く発達している。)
- 517_07【Abductor diditi minimi muscle of foot小趾外転筋;小指外転筋(足の) Musculus abductor digiti minimi pedis】 o:Pisiform, flexor retinaculum. i: Proximal phalanx of little finger. Abduction. I: Ulnar nerve.
→(小趾外転筋は踵骨の足底面、特に踵骨隆起の外側突起、足底腱膜および第5中足骨粗面から起こる。その停止は第5の基節骨底に停止する。外側足底神経の支配を受ける。この筋は体重を支えない下肢においては第5趾を屈曲、外転させる作用を示し、足に体重がかかる場合には外側縦足弓を上方に引き、外側縦足弓を維持するのに役立つ。)
- 517_08【Fibrous sheaths of toes趾の線維鞘;線維鞘(足の指の) Vaginae fibrosae digitorum pedis】 Rather tough connective-tissue thickening of the tendinous sheaths, mainly on the flexor surface of the toes.
→(趾の線維鞘はこの靱帯が趾骨の両側に付き、骨とともにトンネル構造を作ることは、手指の場合と同様である。また趾節間関節部とその付近に見られる輪状部および十字部の線維群も、手指の場合と同様である。)
- 517_09【Flexor hallucis longus tendon長母趾屈筋腱 Tendo flexor hallucis longus; Tendo musculus flexor hallucis longus】
→()
- 517_10【Flexor hallucis brevis muscle短母趾屈筋;短母指屈筋(足の) Musculus flexor hallucis brevis】 o: Cuneiform (I), long plantar ligament, tendon of tibialis posterior, plantar aponeurosis. Forms the groove for the flexor hallucis longus. Plantar flexion of great toe. I: Medial plantar nerve.
→(短母趾屈筋は楔状骨、底側踵立方靱帯および後脛骨筋の腱から起始する。その内側頭は母趾外転筋の腱とともに内側種子骨を介して中足指節関節に停止する。その外側頭は母趾内転筋の腱とともに外側種子骨を介して基節骨に停止する。短母趾屈筋は内側足底神経の支配を受ける。この筋の収縮により第1趾の中足趾節関節における屈曲が得られる。また、この筋は内側縦束裂を維持する役割も果たす。)
- 517_11【Flexor digitorum brevis muscle短趾屈筋;短指屈筋(足の) Musculus flexor digitorum brevis】 o: Calcaneal tuberosity and plantar aponeurosis. i: Its divided tendons insert onto the middle phalanges of the second through fifth toes. Flexion of metatarsophalangeal and middle phalangeal joints, support of longitudinal arch of foot. I: Medial plantar nerve.
→(短趾屈筋は踵骨粗面の下面および踵骨近くの足底靱帯の一部から起こる。その腱は第2~5趾の基節骨上方で分離し(“被貫通屈筋”)、その間に深層を走る長趾屈筋の腱(“貫通屈筋”)を挟み込み、第2~5趾中節骨に停止する。長および短趾屈筋の腱は趾部では腱鞘(滑液鞘)によって包まれる。腱鞘は中足骨遠位1/4からやっと始まる。短趾屈筋の腱は第5趾で欠損することがある。短趾屈筋は内側足底神経の支配を受ける。この筋は体重を支えない下肢においては第2~5趾の屈曲を生じさせる作用を示す。また、足に体重がかかっている場合には、この筋の収縮が内側および外側縦足弓の維持に役立つ。)
- 517_12【Abductor hallucis muscle母趾外転筋;母指外転筋(足の) Musculus abductor hallucis】 o: Calcaneal tuberosity. i: Medial sesamoid bone and proximal phalanx of great toe. Medial abduction, supports longitudinal arch of foot. I: Medial plantar nerve.
→(母趾外転筋は踵骨隆起の内側突起、屈筋支帯および足底腱膜から起始する。腱となり内側種子骨を介して母趾の基節骨底内側面および短母趾屈筋の内側腱に停止する。内側足底神経の支配を受ける。この筋の収縮は母趾の屈筋と外転とをもたらす(体重を支えていない下肢の場合)。また、体重を支えている下肢においては、この筋の収縮が内側縦足弓の維持に役立つ。 )
- 517_13【Calcaneal tuberosity踵骨隆起 Tuber calcanei】 Tuberosity on the posterior aspect of the calcaneus.
→(踵骨の後半部は大きな骨塊となって後方に飛び出している。この部分は踵骨隆起と呼ばれ、いわゆるかかとの主要部を成している。その後面には表面にギザギザした稜線が横に走っているが、ここはアキレス腱がつく場所である。)