639
- 639_01【Upper lip上唇;ウワクチビル Labium superius】
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- 639_02【Body of tongue舌体 Corpus linguae】 Part of the tongue between the tip and root.
→(舌は前方の大部分をつくる舌体と後方の約1/3部の舌根とに分けられる。)
- 639_03【Lower lip下唇;シタクチビル Labium inferius】
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- 639_04【Lingual septum舌中隔 Septum lingualis】 Connective-tissue partition located in the midsagittal plane that partly divides the tongue and gives origin to muscle fibers.
→(舌中隔は正中に矢状方向にある結合組織板で、特殊な線維構築を示す。)
- 639_05【Mandible下顎骨 Mandibula】
→(下顎を形成する。下顎を支え、頭蓋と顎関節をつくる骨で、水平な馬蹄形の部(下顎体)と、その後端から上方に向かう部(下顎枝)に分けられる。本来有対の骨として生じ、生後1年目で下顎底の前端で癒合して一つの骨となる。下顎体の上縁は歯槽部で、下縁は下顎底という。歯槽部には各側8本の歯をいれる八つのへこみ(歯槽)があり、全体として歯槽弓をつくる。各歯槽を境する骨壁を槽間中隔といい、大臼歯の歯槽はさらにその歯根の間を隔てる低い根管中隔で分けられている。体の正中線上前面で左右の骨が癒合した部分は高まり、その下縁は三角形をなして突出(オトガイ隆起)し、ヒトの特徴であるオトガイをつくる。その外側、下縁に接する小突出部をオトガイ結節という。外面ではオトガイ結節から斜線が下顎枝の前縁に向かう。また第2小臼歯の下方にオトガイ孔がある。下顎体の内面には前方正中部に四つの隆起からなるオトガイ棘があり、上二つはオトガイ舌筋、下二つはオトガイ舌骨筋がつく。その下外側で下縁に切歯て卵形のへこみ(二腹筋窩)がある。そこから斜めに下顎枝の前縁に向かう線(顎舌骨筋線)があり、左右のこの線の間をはる顎舌骨筋が口底をつくる。この線の上前はへこみ(舌下腺窩)、またこの線の下方、第2~3大臼歯の所もへこむ(顎下線窩)。下顎底が下顎枝にうつる所は下顎角といわれ、小児で鈍角であるが成長とともに直角に近づく。下顎枝の上縁は深い切れ込み(下顎切痕)によって二つの突起に分かれ、前のもの(筋突起)には側頭筋がつき、後のもの(関節突起)の先に横楕円形の下顎頭があて、側頭骨鱗部にある関節窩と顎関節を作る。下顎頭の下はすこしくびれ(下顎頚)、その前面に外側翼突筋のつく翼突筋窩がある。下顎枝外面は平らで下顎角に近く咬筋のつく咬筋粗面、内面には内側翼突筋のつく翼突筋粗面がある。下顎枝内面中央には下顎孔があり、その前縁は上内方に尖り(下顎小舌)口腔から触れるので、下歯槽神経の伝達麻酔の際、針をさす指標となる。下顎孔の後下から溝(顎舌骨筋神経溝)が出て前下方に斜めに向かう、この上の高まりが顎舌骨筋線である。下顎管は下顎孔からはじまり下顎体の中央で二分し、外側管はオトガイ孔で外側にひらき、内側管は切歯のそばに終わるが、その経過中に各歯槽に向かって小管を出している。有顎魚の下顎を支配する骨格は本来下顎軟骨(Meckel軟骨)で、上顎を支配する支持する軟骨は(口蓋方形軟骨)と顎関節をつくる。ともに鰓弓軟骨の変化したものである。硬骨魚類では下顎軟骨のまわりに若干の皮骨が生じて下顎を支え、そのうち前外面にあり、顎縁の歯をつけた大きい歯を歯骨という。顎関節は下顎軟骨と口蓋方形軟骨それぞれの後部の化骨物(関節骨と方骨)の間につくられる。両棲類、爬虫類も同じ状態であるが、哺乳類では歯骨のみが大きくなって下顎骨となり、顎関節は歯骨と燐骨(側頭骨鱗部に相当する骨)の間に新生されたものである。そして関節骨と方骨はツチ骨、キヌタ骨になっている。多くの哺乳動物では下顎骨は生体でも対をなした状態にとどまっている。Mandibulaはmandere(噛む)という動詞に由来し、語尾のbulaは「道具」を意味する接尾辞である。下顎骨にはすべての咀嚼筋が付。)
- 639_06【Genioglossus muscleオトガイ舌筋 Musculus genioglossus】 o: Mental spine of mandible, i: Fanlike insertion on the lingual aponeurosis from the tip of tongue to the posterior part of tongue. It draws the tongue anteriorly, i.e., toward the chin. I: Hypoglossal nerve.
→(オトガイ舌筋は、下顎骨のオトガイ棘におけるその起始から舌の筋体の中へ扇状に広がり、舌筋膜に付着する。オトガイ舌筋はオトガイ舌骨筋の上に存在し、対側の同名筋から舌中隔によって内側で隔てられる。オトガイ舌筋は舌骨舌筋によって外側から被われる。)
- 639_07【Geniohyoid muscleオトガイ舌骨筋 Musculus geniohyoideus】 o: Inferior mental spine, i: Body of hyoid bone. Aids the mylohyoid. I: Anterior rami of spinal nerves (C1-C2).
→(オトガイ舌骨筋は顎舌骨筋の上に(口腔の方向)に存在する。オトガイ舌骨筋はオトガイ内面のオトガイ棘から舌骨体まで走る。)
- 639_08【Mylohyoid muscle顎舌骨筋;口底隔膜 Musculus mylohyoideus; Diaphragma oris】 o: Mylohyoid line, i: Median fibrous raphe and body of hyoid bone. It forms the muscular floor of the mouth; supports the tongue. Raises the floor of the mouth and the hyoid bone. Draws the mandible inferiorly. I: Nerve to mylohyoid.
→(顎舌骨筋は両側性に下顎骨の内面側から舌骨筋線の部分で起始する。左右両筋部は後方で収斂して、正中縫線で合一して筋板を形成し、この筋板は舌骨体に付着し、かつ両側下顎骨半を連結する。両側顎舌骨筋は口底隔膜を形成する。)
- 639_09【Body of hyoid bone舌骨体;体 Corpus (Ossis hyoidei)】 Anterior segment between the right and left lesser horns.
→(舌骨体は長楕円扁平の骨板で、上縁は鋭く、下縁はやや厚い。前面はややふくれた粗面で舌骨上筋および舌骨下筋群の数個の筋が着く面となる。後面は滑らかでややくぼむ。)
Adam's apple
- 639_10Adam's apple【Laryngeal prominence喉頭隆起;アダムのリンゴ Prominentia laryngea】 Prominence in the midline of the neck caused by the thyroid cartilage. It is more pronounced in men (Adam's apple).
→(『アダムのリンゴ』ともよばれる。甲状軟骨による後頭隆起をさす。いわゆる「のど仏」である禁断の木の実(実際はリンゴではなくイチジクであったという)を食べたアダムが、これを喉に詰まらせたことに由来するという。この語が英語の医学用語として出現したのは1750年頃とされている。)
- 639_11【Thyroid cartilage甲状軟骨 Cartilago thyroidea】 Largest laryngeal cartilage partly enclosing the others.
→(甲状軟骨は最大の喉頭軟骨で、喉頭の前壁と側壁の基礎となっている。右板と左板は正中部でほぼ直角に合する。正中部には上・下甲状切痕がみられ、上行上切痕の付近は前方へ突出し後頭隆起をなす。板の後端から上角・下角が伸び、外側面には上・下甲状結節がみられ、両結節間を斜線が走る。上甲状結節の下には、ときに甲状孔がみられ、上甲状腺動静脈の枝が通る。)
- 639_12【Cricoid cartilage輪状軟骨 Cartilago cricoidea】 Signet-ring shaped cartilage located at the upper end of the trachea that articulates with the thyroid cartilage.
→(最も下位にある喉頭軟骨。気管の上端に位置し、甲状軟骨と関節によってむすばれている。後部はほぼ正方形に近い輪状軟骨板で後壁の大部分を形成する。前部を輪状軟骨弓とよぶ。)
- 639_13【Sternohyoid muscle胸骨舌骨筋 Musculus sternohyoideus】 o: Posterior surface of manubrium of sternum and sternoclavicular joint, i: Body of hyoid bone.
→(胸骨舌骨筋は、前頚部舌骨下筋の1つ胸骨柄の後面と胸鎖関節から起こる。上方に向かって正中線に近づき、舌骨体の上縁に停止する。作用として舌骨を下げる。神経支配:脊髄頚神経ワナを介して上位頚神経参考:上端と正中甲状舌骨靱帯との間に舌骨後包(不対)がある。)
- 639_14【Isthmus of thyroid gland甲状腺峡部 Isthmus glandulae thyroideae】 Part of the thyroid gland connecting the right and left lobes.
→(甲状腺峡部は甲状腺の左葉と右葉を結ぶ部分である。峡部は器官軟骨の上部3-4個の前面を横走し、両葉および峡部の大部分は舌骨下の諸筋に被われている。甲状腺峡部は欠如したり、あるいは上方に長く突出して錐体葉をなし、時には舌骨にまで達することがある。)
- 639_15【Sternothyroid muscle胸骨甲状筋 Musculus sternothyroideus】 o: Posterior surface of manubrium of sternum and first rib. i: Oblique line of thyroid cartilage.
→(胸骨甲状筋も前頚部舌骨下筋の1つ。胸骨後面に起始を持ち、胸骨舌骨筋の背側およびやや内側にある。急角度上方に走り、甲状軟骨の斜線とそのうしろに付く。機能としては喉頭と甲状軟骨を下制する(ひき下げる)。神経支配は頚神経ワナ。動脈は上甲状腺動脈の輪状甲状枝から受ける。)
- 639_16【Suprasternal space胸骨上隙 Spatium suprasternale】 Space between the superficial and pretracheal layers of the deep cervical fascia above the sternum.
→(胸骨上隙は胸骨上縁の近くで頚筋膜の浅葉と気管前葉との間にある狭い間隙。胸骨上隙には疎性結合組織・脂肪組織があり、左右の前頚静脈を結ぶ静脈が横走する。)
- 639_17【Left brachiocephalic vein左腕頭静脈 Vena brachiocephalica sinisra】
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- 639_18【Body of sternum胸骨体 Corpus sterni】 The part of the sternum between the manubrium and the xiphoid process.
→(胸骨のうち中央の最大の部分で上方の胸骨柄、下方の剣状突起にはさまれた部分。この結合部はかなり長期間軟骨性の結合のままで経過し、ここが骨性の結合となるのは成年以後になってからである。したがって若い個体の晒した骨では胸骨柄と胸骨体が分離してしまっている。胸骨体は胸骨柄の約3倍の長さの長方形の部分で、その幅は下方にいくにしたがって徐々に広くなるが、下端では急に狭まっている。その前面は後面に比べればやや凸面に近い。側面は肋軟骨と関節するための6対の切痕がある。)
- 639_19【Nasal septum鼻中隔 Septum nasi】 Nasal partition consisting of bony, cartilaginous, and membranous parts.
→(鼻中隔は軟骨性および骨性の要素から成る。鼻中隔軟骨は後突起を出して骨性の隔壁を補完している。鼻中隔軟骨は両側で大鼻翼軟骨内側脚が重なって外鼻孔の内側の境界をつくる。骨性の隔壁(骨鼻中隔)は篩骨垂直板、蝶形骨稜ならびに鋤骨からなる。)
- 639_20【Hard palate硬口蓋 Palatum durum】 Hard, bony part of the palate.
→(硬口蓋は鼻の粘膜により上部を、口腔の天井にあたる部分の粘膜により下部をおおわれた骨口蓋からなり、粘膜は厚く、骨口蓋の骨膜に硬く付着する。粘膜表面には、正中線に一致して口蓋縫線という高まりがみられ、その前端に切歯乳頭という小隆起がある。その前端に切歯乳頭という小隆起がある。口蓋血管、神経、粘膜腺を有する口蓋の前方部分。硬口蓋の前部には、3~4本の横走するヒダ、すなわち横口蓋ヒダがみられる。横口蓋ヒダはとくに幼児で明瞭に見られる。)
- 639_21【Sphenoidal sinus蝶形骨洞 Sinus sphenoidalis】 Paired sphenoidal sinuses.
→(蝶形骨体の内部は殆ど蝶形骨洞でしめられ、空洞である。その大きさは不定で、ときには体の後に結合する後頭骨の底部にも進入している。蝶形骨洞は蝶形骨体部の頭蓋底部に位置する副鼻腔である。思春期以降に発達し、成人にて含気化が顕著になるが、含気の程度にバリエーションがあり、視神経管周囲・視神経が隣接しており、(内頚動脈が走行している)頚動脈隆起・視神経管の骨性隆起、その間に視神経管頚動脈裂optico-carotid recessとよばれる陥凹が蝶形骨内面より観察される。)
- 639_22【Vault of pharynx咽頭円蓋 Fornix pharyngis】 Roof of the cavity of pharynx below the sphenoid.
→(咽頭円蓋は咽頭の鼻部の上壁は頭蓋底(蝶形骨)の下につき、円蓋状で咽頭腔の屋根をなす。)
- 639_23【Nasopharynx咽頭鼻部;鼻部;鼻咽頭;上咽頭 Pars nasalis pharyngis; Epipharynx】 Part of the cavity of pharynx behind the choana.
→(咽頭の鼻部は咽頭のうち、軟口蓋より上方の部分。前方は後鼻孔によって鼻腔に開き、下方は口峡を経て後咽頭と連絡し、外側方は耳管が開き、その開口部を耳管咽頭口という。この周囲では咽頭壁にかなり凸凹が見られる。)
- 639_24【Pharyngeal opening of pharyngotympanic tube耳管咽頭口 Ostium pharyngeum tubae auditivae; Ostium pharyngeum tubae auditoriae】 Funnel-shaped or slitlike opening of the auditory tube above the levator eminence at the level of the inferior nasal meatus 1 cm in front of the posterior wall of the pharynx.
→(口蓋帆拳筋の根元の上方で、後咽頭壁より1cm前方の下鼻道へ開く漏斗状の開口部。 (Feneis))
- 639_25【Palatine glands口蓋腺 Glandulae palatinae】 Glands located beneath the mucous membrane. (Two larger masses, one on each side of the midline).
→(口蓋腺は硬口蓋外側部分の粘液固有層、および軟口蓋の粘膜下組織に存在する多数のブドウ状粘液腺。)
- 639_26【Soft palate軟口蓋;口蓋帆 Palatum molle; Velum palatinum】 Its posterior border ends with the uvula.
→(軟口蓋は口と口腔咽頭、口腔咽頭と鼻咽頭の間に不完全な中隔を形成する口蓋の後方筋肉部分。骨性支柱を欠き、厚い結合組織板(口蓋腱膜と筋(口蓋筋)とが基礎をつくり、その表面を粘膜が被ってできる。軟口蓋、とくにその後部を口蓋帆といい、その正中部は後下方に垂れ突出して口蓋垂となる。軟口蓋を後上方に挙上し咽頭口壁に向かって圧する作用は燕下を始めると時にみられる。この働きによって口腔と咽頭鼻部とは遮断され、食塊は口腔から鼻腔にはいることなく、咽頭に向かっておくられる。また作用は発声の場合にもみられる(音声が鼻腔にぬけないようにする)。)
- 639_27【Axis; Second cervical vertebra; C2 vertebra; [CII]軸椎[C2];第2頚椎 Axis; Epistropheus [CII]】 Second cervical vertebra.
→(軸椎(第二頚椎)上半部は特異的な形をしており、犬歯によくにた歯突起が上方に突出している。これは本来環椎の軸体であり、発生の途中、椎体の周辺部から分離し、軸椎体と結合したものである。歯突起の前後面にはそれぞれ前関節面、後関節面があり、前者は軸椎の歯突起窩に、後者は環椎横靱帯と対向する。頭蓋の回旋運動は歯突起を軸とする環椎の回旋運動にによって行われる。椎体上面の上関節面は対向する環椎の下関節面の形によく似て円形平坦である。また、椎弓は強大であり、下椎切痕も著明であるが、上椎切痕は明らかでない。横突起はやや小さく、尖端では後結節だけが認められる。)
Morand's foramen; Morgagni, Foramen of
- 639_28Morand's foramen; Morgagni, Foramen of【Foramen caecum of tongue; Foramen cecum of tongue舌盲孔 Foramen caecum linguae】 Groove located at the tip of the terminal sulcus. Remains of the thyroglossal duct present during embryological development.
→(モルガニ孔とも呼ばれる。①舌盲孔。②胸骨および肋骨と横隔膜との癒合不全。イタリアの解剖学者・病理学者Giovanni Battista Morgani (1682-1771)によって報告された。このほかに、喉頭室(モルガニ洞)にも名を残す。)
- 639_29【Root of tongue舌根 Radix linguae】 Area of attachment of the tongue to the mandible and hyoid bone. It can also be described as the posterior, vertical portion of the tongue.
→(喉頭蓋軟骨の前にある舌基部。(Feneis))
- 639_30【Lingual duct舌管 Ductus lingualis】
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- 639_31【Oropharynx口部[咽頭の];口腔咽頭部;中咽頭 Pars oralis pharyngis; Mesopharynx】 Part of the cavity of the pharynx behind the oral cavity.
→(口腔の後方にある咽頭部分。上は咽頭峡を経て咽頭鼻部に、下は咽頭喉頭部に続く。)
- 639_32【Epiglottis喉頭蓋 Epiglottis】 Elastic cartilage shaped like a shoehorn.
→(喉頭口の前壁をなし、粘膜におおわれて舌根のところにあり、その概形は喉頭蓋軟骨によってつくられ靴べら様を呈する。喉頭蓋の主な働きは燕下を円滑に行うことである。)
- 639_33【Laryngopharynx; Hypopharynx咽頭喉頭部;下咽頭;喉頭部(咽頭の) Pars laryngea pharyngis; Hypopharynx】 Part of the cavity of pharynx behind the larynx.
→(咽頭の喉頭部は喉頭の開口より下で喉頭の背後にある咽頭腔部分、喉頭前庭から輪状軟骨の下縁の高さで食道につづく。)
- 639_34【Laryngeal inlet喉頭口 Aditus laryngis】 Entrance to the larynx between the epiglottis, ary-epiglottic folds, and interarytenoid notch.
→(喉頭蓋と披裂喉頭蓋ヒダで囲まれた喉頭の入口。 (Feneis))
- 639_35【Laryngeal vestibule喉頭前庭 Vestibulum laryngis】 It extends from the laryngeal inlet to the vestibular fold.
→(前庭ヒダまでの喉頭腔上部。 (Feneis))
- 639_36【Laryngeal cavity喉頭腔 Cavitas laryngis; Cavum laryngis】 Space within the larynx.
→(喉頭腔の内面は粘膜におおわれ、下に存在する軟骨、靱帯、筋の形態や走向に従ってヒダや陥凹をつくる。喉頭腔の咽頭喉頭部への開口を喉頭口とよぶ。喉頭口の前部は喉頭蓋、後部は披裂喉頭蓋ヒダに囲まれて楕円形を呈する。喉頭口の後部の左右の披裂軟骨の間で粘膜は観入して披裂間切痕をなす。喉頭口と前庭ヒダの間を喉頭前庭といい、前庭ヒダと声帯ヒダとの間を喉頭室という。喉頭室の盲端は甲状軟骨内面まで伸び、喉頭小嚢となる。サルではこれがよく発達し、響嚢となる。前庭ヒダの支柱は室靱帯で、左右の前庭ヒダとの間の裂隙を前庭裂という。声帯ヒダの下で弾性円錐および輪状軟骨に囲まれた部位を声門下腔という。)
- 639_37【Vertebra prominens; Seventh cervical vertebra; C7 vertebra; [CVII]隆椎;第7頚椎 Vertebra prominens; Vertebrae cervicalis VII; [CVII]】 Seventh cervical vertebra. Its name originates from its prominent spinous process (in 70%).
→(第七頚椎は、頚椎のなかでも最も下にあるだけあって、多分に胸椎に似た性格をおびてくる。椎体の大きさも上位の胸椎と大差がないし、棘突起も長大で、尖端の2部は見られない。上・下関節突起にある関節面の傾斜もかなり急になってきている。第7頚椎の棘突起は、生体で「クビ」を前に曲げたときに最も後方に突出している見えることが多い。そのために第7頚椎は隆椎という別名を持っている。)
- 639_38【First thoracic vertebra; T1 vertebra; [TI]第1胸椎 Vertebra thoracica I; [TI]】
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- 639_39【Trachea気管 Trachea】 Elastic tube between the larynx and bronchi.
→(喉頭の下に連なる気道の管状部で、第6頚椎の高さにはじまり、気道の前を垂直に下り、第4頚椎の前で左右の気管支に分岐する。この分岐部を気管分岐部という。気管支鏡で分岐部を上から見ると、その正中部に左右の気管支を隔てる高まりがある。この高まりを気管竜骨という。気管壁には、硝子軟骨性の気管軟骨の輪が一定の間隔をおいて重なり、軟骨間は輪状靱帯で結合する。気管軟骨は幅3~4mmで15~20個を数える。気管軟骨は完全な輪ではなく、全周の4/5~2/3を占める馬蹄状を呈する。軟骨性の支柱を欠く部は正中部後壁をなし、膜性壁とよばれる。膜性壁には平滑筋(気管筋)を含む。気管内面は多列絨毛円柱上皮で、絨毛の運動の方向は上向きである。粘膜固有層には弾性線維が多く、粘膜下組織には胞状の混合腺(気管腺)を数多く含む。日本人の気管の長さは10cm前後である。)
- 639_40【Oesophagus; Esophagus食道 Oesophagus; Esophagus】 Passageway measuring 23-26 cm in length that begins below the cricoid cartilage at the level of the sixth cervical vertebra and ends at the cardia of the stomach.
→(食道は咽頭につづき、下方は胃に流入する長い管で、狭義の消化管の最初の部分である。輪状軟骨下縁(上食道狭窄)にはじまり、脊柱の前を下って胃の噴門部に接合するまで、全長23~26cm。内腔は適宜拡がり、義歯を飲み込んだ例もある。内腔の狭い部分は上端(上食道狭窄)、大動脈弓・気管支と交叉する部分(中食道狭窄)、下端(下食道狭窄)の3カ所で、上下端では内腔が普通は閉じ、括約筋の存在が想定されている。食道を上から頚部・胸部・腹部に分ける。頚部は脊椎の前にある部分、胸部は以下横隔膜で、腹部は横隔膜の食道裂孔を抜けて腹腔内に入り、噴門部に流入する短い部分である。食道の壁の粘膜は重層扁平上皮におおわれ、粘膜筋板を有し、食道腺が散在する。上部または下端に食道噴門腺をみる。筋層は上部で横紋筋、下部で平滑筋で、平滑筋束の一部は気管支食道筋、胸膜食道筋として、周囲の器官に連続する。筋層の外側は疎性結合組織性の外膜におおわれる。)
- 639_41【Cervical part of oesophagus; Cervical part of esophagus; Cervical esophagus頚部(食道の) Pars cervicalis oesophageae; Pars colli oesophageae】 Segment of the esophagus located in front of the cervical vertebral column (C6-T1).
→(食道の頚部は頚椎の前にある短い食道部分(第六頚椎-第一胸椎)で長さ5~6cm(全長の約1/5)で、輪状軟骨下縁から腕骨上縁までの高さで、椎骨の前にある。気管のすぐ後ろを下行する。食道と気管との間には反回神経が走り、食道の両側には総頚動脈・内頚動脈・迷走神経が走る。)
- 639_42【Brachiocephalic trunk腕頭動脈;無名動脈 Truncus brachiocephalicus; Arteria anonyma】 It arises at the beginning of the aortic arch and divides behind the right sternoclavicular joint into the right subclavian artery and right common carotid artery.
→(大動脈弓から最初にでる動脈で、右胸鎖関節の後ろで鎖骨下動脈と右総頚動脈に分れる。しばしば最下甲状腺動脈を出す。)