目次骨格系関節系筋肉系消化器系呼吸器系胸郭泌尿器系生殖器系腹腔と骨盤腔内分泌腺心脈管系リンパ系神経系感覚器外皮

Stomach(胃)Gaster; Ventriculus い Feneis: 146_18

[A05_5_01_001] →(胃は食道と十二指腸の間にある不規則な洋梨状の消化管。胃液を分泌し食物を糜汁とする。容量は日本人の胃の平均は♂1407.5ml、♀1270.5ml。形状は死体ではウシの角状の嚢であることが多いが、生体では内容の充満度、体位、機能状態によって著しく変化する。位置は上端は左第5肋間、下端は内容の空虚なとき臍より三横指上方。胃の大部分は左下肋部と上胃部に位置する。部域は①噴門十二指腸が胃に連続する部。その内腔は狭く噴門口をなす。その①は、正中線よりわずか左側で、第7肋軟骨が胸骨に付着する高さにある。前腹壁より約10cm深部で、切歯から食道を経て40cmで達する。②幽門(幽門口)胃と十二指腸の境界。壁内に輪状に走行する幽門括約筋が発達しているため壁は輪状の高まりとなって幽門孔をとり囲む。その位置は、第1腰椎の下端の高さ正中線の約1.5cm右方である。③幽門部胃体と幽門部の間に介在する比較的細い部。その胃体側を幽門洞、幽門へつづく管状部を幽門管とよんでいる。④胃体噴門と幽門部との間で胃のもっと広い部域。胃体管は胃の小弯に沿って生じるとされる十二指腸への通路。胃体の上端部で行き詰まりの嚢状の部分を胃底といい横隔膜の直下に位置する。胃底が噴門へつづく面と食道下端は鋭角状の噴門切痕をつくる。このほか胃の前壁と後壁を区別しこの量壁が上縁と下縁で互いに移行する弓状の縁をそれぞれに小弯と大弯といい、小綱と大網の付着線をなしている。胃体と幽門部の境目の小弯は内方へ深く落ち込み角切痕(胃角)をつくる。胃壁の構造は外表は腹膜の一部である漿膜でおおわれ小綱および大網表層へ移行している。平滑筋からなる筋層は外層が縦走筋(外縦筋)、中層は最もよく発達し、輪走筋(中輪筋)、食道の内層筋から発して胃体を斜走するが、胃底では輪走する。幽門部では中輪筋がとくに発達し幽門括約筋となるが、内斜筋は欠いている。胃の内面は胃の粘膜でおおわれ、収縮時には多数の縦走するヒダ(胃粘膜ヒダ)がみられる。粘膜の表面には小さい陥凹が多数みられ(胃小窩)、その底部に固有胃腺が数個ずつ開口する。胃粘膜は浅い溝によって直径約2~3mmの多角形に区画されている。これを胃小区という。固有胃腺を構成する細胞は主細胞、傍細胞、副細胞がある。幽門腺は幽門部にある分枝単一管状胞状腺である。)

Anterior wall of stomach(前壁(胃の))Paries anterior gastricae ぜんへき(いの) Feneis: 146_19

[A05_5_01_002] →(胃は前壁と後壁との2面をもち、両壁は弓状に弯曲する上縁と下縁とで連なる。)

Posterior wall of stomach(後壁(胃の))Paries posterior gastricae こうへき(いの) Feneis: 146_20

[A05_5_01_003]

Greater curvature of stomach(大弯(胃の);胃大弯)Curvatura major gastricae; Curvatura ventriculi major だいわん(いの);いたいわん Feneis: 146_21

[A05_5_01_004] →(胃の大弯は小弯よりも長く、噴門の左側から始まり、胃底上縁を越えたのち、胃体の左縁を通り、幽門下部にまで達している。大弯の上方部からは胃膵間膜が出て脾臓に達しており、大弯の下方部からは大網がたさえがっている。)

Lesser curvature of stomach(小弯(胃の);胃小弯)Curvatura minor gastricae; Curvature ventriculi minor しょうわん(いの);いしょうわん Feneis: 146_22

[A05_5_01_005] →(胃の上縁は右縁でもあり、小弯といわれる。)

Angular incisure of stomach; Angular notch of stomach(角切痕(胃の);胃角切痕)Incisura angularis gastricae; Incisura angularis ventriculi かくせっこん(いの);いかくせっこん Feneis: 146_23

[A05_5_01_006] →(胃体と幽門部の境目の小弯は内方へ深く落ち込み角切痕をつくる。英語ではAngular incisureとなっているがAngular notchの方が一般的である。)

Cardia; Cardial part of stomach(噴門;噴門部(胃の))Cardia; Pars cardiaca gastricae うんもん;ふんもんぶ(いの) Feneis: 146_24

[A05_5_01_007] →(噴門は食道腹腔部が胃に接続する部位を指すが、そこには特別な括約筋層が存在するわけではない。しかし、胃の内容物が食道内に逆流するのを防ぐような機能が噴門に備わっていることはほぼ疑いない。)

Cardial orifice; Cardiac ostium; Cardiac opening(噴門口)Ostium cardiacum ふんもんこう Feneis: 146_25

[A05_5_01_008] →(噴門口は噴門にある食道の出口で正中線のやや左方で、第7肋軟骨の胸骨付着部より約2cm左側(第11胸椎の高さ)にある。)

Fundus of stomach(胃底)Fundus gastricus; Fundus ventriculi いてい Feneis: 146_26

[A05_5_01_009] →(胃底は横隔膜の左側のドームのすぐ舌にあり、胃底の上端は左第5肋骨の高さにある。胃底とは噴門の左側で上方に膨隆した部位の呼び名であるが、その部位はガスを満たすことが多い。)

Fornix of stomach(胃円蓋)Fornix gastricus いえんがい Feneis: 146_27

[A05_5_01_010] →(胃円蓋は以前はfundus of stomach(胃底)の同義語と見なされていたが、TAでは胃底と胃円蓋を別扱いしている。胃底はすべての胃にあるもので胃体の最上部をいい、その粘膜は非常に厚い。円蓋は噴門口より左上方にみられるドーム状もしくはポケット状の膨らみで直立姿勢ではしばしばガスが入っている。)

Cardial noth; His, Angle of(噴門切痕)Incisura cardialis ふんもんせっこんHis, Angle of Feneis: 146_28

[A05_5_01_011] →(噴門切痕は噴門と左側の胃底との間の鋭角部(50~80°)。)

Body of stomach; Corpus of stomach(胃体)Corpus gastricum; Corpus ventriculi いたい Feneis: 146_29

[A05_5_01_012] →(胃体は噴門部につづく胃の大部で、小弯にみられる角切痕までの部である。上方は噴門および胃底、下方は幽門部と境す。)

Gastric canal; Magenstraße(胃体管;胃道)Canalis gastricus いたいかん;いどう Feneis: 146_30

[A05_5_01_013] →(胃体管は小弯に沿った胃道。縦に走る粘膜のヒダによってつくられる。)

Pyloric part of stomach(幽門部(胃の))Pars pylorica gastricae; Pars pylorica ventriculi ゆうもんぶ(いの) Feneis: 146_31

[A05_5_01_014] →(胃の幽門部は遠位側の、角切痕から幽門を含めた胃部分。幽門部はさらに幽門洞と幽門管との2部に分けられる。幽門付近は、幽門腺と呼ばれる単一分枝管状腺によって構成されている。しかし、これら各部の間には、明瞭な境界はなく、隣接部付近では、各部の腺が混在する。特に、固有胃底腺を構成する細胞の一つである壁細胞は、幽門部を除く広い領域に存在するといわれている。)

Pyloric antrum(幽門洞)Antrum pyloricum ゆうもんどう Feneis: 146_32

[A05_5_01_015] →(幽門洞は角切痕で始まる起始部分で近位の嚢状部で、壁が薄い。蠕動波の際、一次的に他の胃腔から完全に隔離される。)

Pyloric canal(幽門管)Canalis pyloricus ゆうもんかん Feneis: 146_33

[A05_5_01_016] →(幽門管は約2~3cm長の胃の末端部。)

Pylorus(幽門)Pylorus; Pylorus ventriculi ゆうもん Feneis: 146_34

[A05_5_01_017] →(幽門は、強力な輪状筋を備えた胃下端部。胃の空腹時、背臥位では正中線の1~2cm右方で、第1腰椎の右前方にある。)

Pyloric orifice(幽門口)Ostium pyloricum ゆうもんこう Feneis: 146_35

[A05_5_01_018] →(幽門口は胃と十二指腸の間をむすぶ幽門腔。)

Gastric mucosa; Mucous membrane of stomach(粘膜(胃の);胃粘膜)Tunica mucosa gastricae; Tunica mucosa ventriculi ねんまく(いの);いねんまく Feneis: 148_09

[A05_5_01_027] →(胃の粘膜に限らず、消化管の粘膜上皮は、絶えず新生され、古くなった上皮細胞と置き換わっていく。胃小窩深部あるいは腺の上端部に、有糸分裂像がよく観察される。この領域は増殖細胞帯generative cell zoneまたはprogenitor cell zoneと呼ばれ、この領域で分裂、増加した未分化上皮細胞undiffereted epithelial cellが、表面上皮細胞あるいは腺細胞に分化し、成熟していく。未分化上皮細胞の数は少なく、立方ないし丈の低い円柱状で、細胞質は弱塩基好性を呈す。核は細胞体の割に大きく、円形である。細胞質の塩基好性は、幼若な細胞の特徴ともいえる。豊富な自由リボゾームの存在に起因する。大部分の未分化上皮は胃表面に移動しつつ、表面上皮細胞ないしは頚部粘液細胞に分化していく。両細胞は、2~8日周期で更新される。壁細胞は腺頚部の未分化上皮細胞より分化し、その寿命は約3ヶ月にも及ぶ。主細胞もまた未分化上皮細胞から分化、成熟してくる以外に、一部は成熟した主細胞自身が分裂、増殖する。主細胞の細胞周期は約2ヶ月といわれている。噴門腺付近の表面上皮細胞および腺細胞の寿命は約2日、腺細胞は約3~10日とされている。幽門腺付近の表面上皮細胞および腺細胞は1~2日で更新されているので、幽門の胃小窩あるいは腺上端部においては、他の部位よりも多くの有糸分裂増が認められる。)

Gastric folds; Gastric rugae; Rugae of stomach(胃粘膜ヒダ)Plicae gastricae; Plicae gastricae mucosae; Plica mucosa (Gaster) いねんまくひだ Feneis: 148_10

[A05_5_01_028] →(胃の内面の粘膜面には何条かのしわ(胃粘膜ヒダ)があり、これらは小弯の所では主に縦走している。)

Lamina propria mucosae(粘膜固有層(胃の))Lamina propria mucosae ねんまくこゆうそう(いの)

[A05_5_01_028_1] →(胃の粘膜固有層は細胞要素に富む一種の細網組織である。すなわち細網線維が網をつくり、その網眼に線維芽細胞、リンパ球、形質細胞、好酸球、大食細胞などが、かなり多く散らばっている。しばしばリンパ小節やリンパ浸潤がみられる。)

Muscularis mucosae of stomach(粘膜筋板(胃の))Lamina muscularis mucosae gastricae ねんまくきんばん(いの) Feneis: 148_11

[A05_5_01_029] →(胃の粘膜筋板は基本的には、内側の輪走と外側の縦走する平滑筋線維束の2層構造を示す。粘膜固有層に平滑筋線維を分枝させている。このような平滑筋線維は、腺分泌物の胃内腔への放出に関与すると考えられている。)

Gastric areas(胃小区)Areae gastricae いしょうく Feneis: 148_12

[A05_5_01_030] →(胃小区は浅い溝で囲まれた粘膜表面の隆起部。直径1~6mmある。)

Villous folds of stomach(絨毛様ヒダ(胃の))Plicae villosae gastricae じゅうもうようひだ(いの) Feneis: 148_13

[A05_5_01_031] →(胃の絨毛様ヒダは腺口相互間にある肉眼ではみえない細い上皮のヒダ。)

Gastric pits(胃小窩)Foveolae gastricae いしょうか Feneis: 148_14

[A05_5_01_032] →(胃小窩は絨毛様ヒダの間にある胃腺の開口。)

Gastric glands(胃腺)Glandulae gastricae いせん Feneis: 148_15

[A05_5_01_033] →(胃体および胃底の粘膜に分布する胃液線。胃底では4種類の細胞から構成される管状の胃腺。主細胞、壁細胞、副細胞(粘液頸細胞)、内分泌細胞(基底顆粒細胞)があり、しれぞれ、胃液の主要構成成分であるペプシノゲン、塩酸、粘液(ムコ多糖)、消化管ホルモンを分泌する。胃腺から分泌される胃液gastric juiceは空腹時には10~50ccの胃の中にたまっており、ふつう無色透明でpH1.6~2.0の強酸性を呈する。その主要成分は壁細胞から分泌される塩酸と主細胞および粘膜細胞から分泌されるペプシンである。人体の中でこような強い酸性を示す場所は、胃と腟だけである。)

Gastric glands proper; Fundic gland; Gastric gland(固有胃腺;胃底腺)Glandula gastrica propria こゆういせん;いていせん

[A05_5_01_033_1] →(胃底腺(固有胃腺gastric gland proper)は胃底および胃体部の粘膜に存在する、単一管状腺ないしは胃底部で分枝している単一分枝管状腺に属し、粘膜筋板にまで達している。1個の胃小窩には通常数個の胃底腺が開口している。胃底腺は、胃小窩に続く、やや細くなった腺頚部neck、その下方に続き腺の主体をなす腺体部body、および最下部で盲端に終わっている腺底部fundusに区別される。これらの各部の間には明瞭な境界はないが、胃底腺を構成する細胞の分布に不均一性がある。胃底腺は、主として、主細胞、壁細胞、頚部粘液細胞(副細胞)によって構成されているが、それ以外に基底顆粒細胞もかなり多数存在する。なお、基底顆粒細胞は、噴門腺、幽門腺にも存在する。①主細胞chief celは、胃底部から腺体部にかけて分布し、時に胃底部が主細胞のみで構成されていることもある。本細胞は、ペプシンpepsinの前駆細胞であるpepsinogenを分泌する漿液腺細胞である。細胞体は円柱状ないし立方状を示し、核は円形で細胞の基底部に位置する。核周囲および基底部の細胞質は塩基好性で、HE染色で濃い青紫色、いわゆるエルガストプラズムを呈す。これは、漿液腺細胞に共通して認められる高度に発達した粗面小胞体の存在を反映している。核上部には、酸好性の分泌顆粒が存在するが、通常の固定では十分に保存することができず、しばしば核上部が泡末状に明るく抜けて見えることがある。この分泌顆粒には、pepsinogenが含まれている。Pepsinogenは、胃酸またはペプシンによってペプシンによってペプシンとなり、蛋白分解酵素として働く。②壁細胞parietal cellは、胃液の主体をなす胃酸(塩酸)を分泌する細胞であり、胃底腺の腺頚部から胃体部にかけて多数存在するが、噴門腺にも出現する。壁細胞は、胃底腺を構成する細胞の内では最も大型の細胞で、主細胞の2~3倍あり、円形、三角形ないし多角形状の細胞である。胃底腺の縦断面では、しばしば低い三角形を呈する壁細胞が基底部が、腺の基底膜を押し出して、細胞自身が粘膜固有層に突出しているために、腺の壁を構成しているかのような管を与えることが、本細胞名の由来ともなった。核は円形で細胞の中央部に位置し、二核の細胞もしばしば認められる。細胞質は、エオジンや酸性フクシンに好染する、好酸性顆粒で満たされている。この顆粒はミトコンドリアにほかならず、本細胞の活発な細胞活動を反映し、多数のミトコンドリアが存在する。また、良好な標本でみると、細胞内には、核上部から核を囲むようにして広がっている細胞内の細い間隙が認められる。この間隙は細胞内分泌細管intracellular secretory canaliculusと呼ばれ、胃酸を生成し、腺腔に導くための構造である。壁細胞の微細構造は、胃酸分泌の状態に応じて、変化することが知られている。電顕的には、胃酸分泌亢進時は、細胞頂部で腺腔に開口した細胞内分泌細管が細胞体深部まで達し、全体としては疎い網工状を呈している。細管壁には微絨毛が密生している。塩酸の生成は細胞内分泌細管の表面で行われることから、微絨毛を突出させることによって表面積が広がり、塩酸分泌に好都合な状態となる。一方、絶食等、分泌が低下している時は、細胞内分泌細管の発達は乏しいが、小管系tubular systemと呼ばれる管状ないし小胞状の膜構造物が細胞内に多数認められる。この小管系の機能は明らかではないが、塩酸分泌亢進時の細胞内分泌細管が拡張した状態では、著明に減少することから、小管系は細胞内分泌細管の形質膜の陥入ないし膜癒合等によって形成されることが推測されている。③頚部粘液細胞mucous neck cell(副細胞)は、腺頚部から腺体部にかけて散在する粘液細胞である。この細胞は他の腺細胞よりも小さい。細胞の形は通常、立方状ないし円柱状であるが、しばしば球状あるいは先端を基底側に向けたくさび状を呈することがある。核は扁平で基底部に押しつけれれ、ヘマトキシリンに濃染する。時に、明瞭な核小体を有することがある。核上部は粘液に満たされ、明るく抜けて見える。分泌される粘液は、中性ないし硫酸ムコ物質に富み、表面粘液細胞が分泌する粘液と性状を異にする。また分泌顆粒には、pepsionogenが含まれているともいわれている。)

Cardiac gland(噴門腺)Glandula cardiaca ふんもんせん

[A05_5_01_033_2] →(噴門腺は、噴門部のごく狭い範囲にみられる、単一分枝管状粘膜腺である。腺は強く迂曲しているために、組織標本では、腺の断面がよく観察される。腺腔は広く、単一の細胞から構成されている。腺細胞は円柱状を呈し、核は球状で細胞の基底部に位置する。核上部は粘液に満たされ、通常の染色標本では泡末状を呈する。絶食下においては、多数の粘液顆粒が細胞内にみられるが、採食ないしはピロカルピンpilocarpine投与によって脱顆粒がおこる。噴門腺は、噴門から遠位になるに従って、主細胞あるいは壁細胞をもつようになり、やがて典型的な胃底腺に置き換えられていく。)

Pyloric glands(幽門腺)Glandulae pylorica ゆうもんせん

[A05_5_01_033_3] →(幽門部の胃小窩は深く、粘膜の厚さの約半分以上にも達しているために、それに開口する幽門腺の長さは短い。幽門腺は単一分枝管状腺の形態を示す、粘液腺である。腺細胞は、胃底腺の頚部粘液細胞ないしは十二指腸腺細胞によく類似している。腺細胞は、頚部粘液細胞よりも細胞の丈は高いが、円柱状で、核は円形ないし楕円形を呈し、基底部に偏在している。核上部の細胞質は明るくぬけている。腺は迂曲しているために、組織標本では、腺の横断面ないしは遮断面がよく観察される。分泌された粘液は、胃粘膜表面の保護に関与すると考えられているが、分泌粘液顆粒にpepsinogenやlysozymeが存在することも証明されている。Lysozymeは溶菌作用をもつことから、細菌感染防御に幽門腺細胞が関与している可能性がある。また、幽門部-胃底ないし胃体部の境界は明瞭ではなく、その移行部には、胃底腺と幽門腺が混在し、ごく稀に幽門腺胃壁細胞が認められることがある。)

Gastric lymphoid nodules(胃リンパ小節)Noduli lymphatici gastrici いりんぱしょうせつ

[A05_5_01_033_4]

Submucosa of stomach(粘膜下組織(胃の))Tela submucosa gastricae ねんまくかそしき(いの) Feneis: 148_08

[A05_5_01_026] →(胃の粘膜下組織は主として、膠原線維からなる疎性結合組織である。脂肪細胞、形質細胞、リンパ球や好酸球も多数認められる。マイスナー神経叢、比較的太い動静脈、リンパ管が分布している。)

Muscular layer of stomach(筋層(胃の))Tunica muscularis gastricae; Tunica muscularis ventriculi きんそう(いの) Feneis: 148_03

[A05_5_01_021] →(胃の筋層は内斜、中輪、外縦走平滑筋層が区別されるが、胃の部位によって各筋層の発達の程度に違いがある。外縦筋層は、食道の外縦筋層からの続きで、噴門部から放射状に広がっている。特に小弯および大弯ではよく発達し、ヒモを形成する。中輪筋層は、食道の内輪筋層からの続きで、胃壁全体に走行し、3層の内で最もよく発達している。また、幽門では特に発達しており、厚い幽門括約筋を形成している。括約筋によって、十二指腸との境界では、輪状の粘膜ヒダ(幽門弁)を管腔に突出さえている。内斜筋層は、食道の内輪筋層の一部から分岐し、噴門から斜めに分散しているが、幽門部には達していない。中輪筋層と外縦筋層の間には、アウエルバッハ神経叢が存在する。胃において輪筋層がよく発達しているのは、胃内容積の変化に際し、胃壁の緊張を一定に保つためである。幽門部では、内外二層構造となっていることから、この部では腸運動に類似した蠕動を行うと考えられる。)

Longitudinal muscle layer of stomach(縦筋層;縦層;縦走線維層(胃の))Stratum longitudinale tunicae muscularis gastricae じゅうきんそう;じゅうそう;じゅうそうせんいそう(いの) Feneis: 148_04

[A05_5_01_022] →(胃の縦筋層は主として大・小弯にある外側の縦走筋層。)

Circular muscle layer of stomach; Middle circular muscle lyaer of stomach(輪筋層;輪走筋;中輪筋層(胃の))Stratum circulare tunicae muscularis gastricae りんきんそう;りんそうせんいそう(いの) Feneis: 148_05

[A05_5_01_023] →(胃の輪筋層は中間の輪走筋層。)

Pyloric sphincter muscle; Sphincter pylori muscle(幽門括約筋)Musculus sphincter pyloricus ゆうもんかつやくきん Feneis: 148_06

[A05_5_01_024] →(幽門括約筋は幽門の厚い輪走筋層。)

Oblique fibres(斜線維;斜線維層(胃筋層の))Fibrae obliquae (Tunica muscularis gastricae) しゃせんい;しゃせんいそう(いきんそうの) Feneis: 148_07

[A05_5_01_025] →(斜線維は最内側にある縦走する筋線維層。)

Serosa of stomach(漿膜(胃の))Tunica serosa gastricae しょうまく(いの) Feneis: 148_01

[A05_5_01_019] →(胃の漿膜は腹膜の続きで、胃の前面および後面をおおうが、大弯および小弯では漿膜を欠き、大網および小綱が付着している。漿膜表面は、単層扁平中皮でおおわれており、疎性結合組織よりなる漿膜下組織を介して、筋層に続く。)

Subserosa of stomach; Subserous layer of stomach(漿膜下組織(胃の))Tela subserosa gastricae しょうまくかそしき(いの) Feneis: 148_02

[A05_5_01_020] →(胃の漿膜下組織は漿膜を裏打ちする結合組織。)

最終更新日:19/10/13

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